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大分で秋の美味と極上の湯を目指す旅。最新オーベルジュ「エノワ ユフイン」へ

2023.10.19

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〔特集〕源泉のある最新オーベルジュへ(前編) 心身を癒やす良泉と、滋味深く華やかな食、そして居心地のよい空間。大分・由布院と山形・赤湯、それぞれの土地に魅了された人たちの熱い思いがオーベルジュとなって実を結びました。2023年オープンの2軒へご案内します。

ENOWA YUFUIN/エノワ ユフイン

(大分・由布院温泉)

開放感溢れる「01 ヒル・トップ・スカイ・パビリオン」。無垢の木を中心に石や土壁など、由布院の自然と調和する質感豊かなマテリアルが使われている。アースカラーで統一された空間に、アートが彩りを添える。

開放感溢れる「01 ヒル・トップ・スカイ・パビリオン」。無垢の木を中心に石や土壁など、由布院の自然と調和する質感豊かなマテリアルが使われている。アースカラーで統一された空間に、アートが彩りを添える。

源泉かけ流しの露天風呂&プールから由布院盆地を一望する

温泉大国・大分の中でも、由布院は約900もの源泉を持つ人気の温泉地です。そんな由布院の山の手に2023年6月、土地の恵みを余すところなく堪能できる素敵な宿がオープンしました。

緑に包まれた広大な敷地に点在するヴィラの一つ「ヒル・サイド・ウォーター・フォール・ヴィラ」。プールから滝のように流れ落ちる水が壮観。

緑に包まれた広大な敷地に点在するヴィラの一つ「ヒル・サイド・ウォーター・フォール・ヴィラ」。プールから滝のように流れ落ちる水が壮観。

チェックインをするラウンジには、国東半島で栽培している七しち島とう藺いを使って岩切千佳さんが制作した円座が並ぶ。

チェックインをするラウンジには、国東半島で栽培している七島藺(しちとうい)を使って岩切千佳さんが制作した円座が並ぶ。

雄大な自然に囲まれた4万4000平方メートルの敷地には、ホテル棟の9室に加えて、10室のヴィラが点在しています。山の斜面に建つヴィラまではスタッフの運転するカートで向かいますが、頰を撫でる爽やかな風に、ちょっとした冒険気分が味わえます。


山の上に建つサウナは貸し切りのため、周りを気にせずに満喫できる。汗をかいて水風呂に入ったら、ガーデンチェアに寝転んで“整い”の時間。

山の上に建つサウナは貸し切りのため、周りを気にせずに満喫できる。汗をかいて水風呂に入ったら、ガーデンチェアに寝転んで“整い”の時間。

自然とシームレスに繫がれることがこの宿の大きな魅力。インテリアにも、土壁をはじめ天然の木や石など、プリミティブな素材が多く使われていて、自然の風合いとシンプルなデザイン、触れたときの心地よさに気持ちも和みます。

「エノワ ユフイン」のヴィラのうち最も高い所にある「01 ヒル・トップ・スカイ・パビリオン」。こんこんと湧き出る源泉の露天風呂から続く温泉プールの先に、のどかな由布院の街並みが広がる。温泉プールは水着を着用しての利用がおすすめ。

「エノワ ユフイン」のヴィラのうち最も高い所にある「01 ヒル・トップ・スカイ・パビリオン」。こんこんと湧き出る源泉の露天風呂から続く温泉プールの先に、のどかな由布院の街並みが広がる。温泉プールは水着を着用しての利用がおすすめ。

ヴィラはテラスを含めてすべて100平方メートル以上で、温泉プールを完備。最上位の「ヒル・トップ・スカイ・パビリオン」に至っては、2棟とも165平方メートルの広さを誇ります。一歩足を踏み入れると、目の前にエノワの森、その向こうにのどかな街の風景が広がっています。

秋や冬の朝は、運がよければ盆地が霧に包まれる幻想的な光景に出合えることも。全客室に源泉かけ流しの露天風呂があり、しっとりと優しい湯に浸かると心までもとろけそうです。

自家ファームで収穫した野菜たち。その生命を皿の上に表現する

このオーベルジュの食を牽引するのは、「世界のベストレストラン50」の常連で、ファーム・トゥ・テーブルの先駆けとなったニューヨークの「ブルーヒル・アット・ストーンバーンズ」の元副料理長で、チベット出身のタシ・ジャムツォさん。

オーベルジュから車で10分ほど、由布岳を目の前に望むENOWAファームで、オクラの花を摘むタシさん。農園の匠、京都の石割照久さんの指導で土作りから始めた。

オーベルジュから車で10分ほど、由布岳を目の前に望むENOWAファームで、オクラの花を摘むタシさん。農園の匠、京都の石割照久さんの指導で土作りから始めた。

自分たちが育てた食材を、安全で新鮮なままテーブルに届けるというブルーヒルでの体験から、約3年前に来日してすぐに自らENOWAファームを立ち上げました。

毎朝自ら畑に出向き、その日のベストな食材を見極めながらメニューを決めています。

夕食、朝食は開放感のあるダイニング「JIMGU(ジングー)」でいただく。プライベート感のある中央の円形ソファ席が特徴的。

夕食、朝食は開放感のあるダイニング「JIMGU(ジングー)」でいただく。プライベート感のある中央の円形ソファ席が特徴的。

ファームで収穫した後、低温熟成させて甘みが増したほくほくのベニハルカは、いちじくの葉でくるんでグリルに。ビーツとターメリックをヨーグルトと合わせた2種類のソースに花を散らして、見た目も華やか。

ファームで収穫した後、低温熟成させて甘みが増したほくほくのベニハルカは、いちじくの葉でくるんでグリルに。ビーツとターメリックをヨーグルトと合わせた2種類のソースに花を散らして、見た目も華やか。

自家農園にとどまらず、自分の考えに共鳴してくれる生産者を求め、九州各地も訪ね歩きました。気持ちを通わせるには会話が重要だと、日本語を猛勉強。食材ロスもゼロを目指し、本来なら捨ててしまう野菜や、通常は実しか食べない植物の葉を使うこともあります。

その日にとれたかぼちゃは、すもも、ハーブと合わせて彩り豊かなサラダに。

その日にとれたかぼちゃは、すもも、ハーブと合わせて彩り豊かなサラダに。

鹿児島「ふくどめ小牧場」の稀少品種の豚、サドルバックのもも肉はビーツのソースと合わせて。

鹿児島「ふくどめ小牧場」の稀少品種の豚、サドルバックのもも肉はビーツのソースと合わせて。

決して奇をてらっているわけではなく、瑞々しい味わいだったり、ほんのりとした苦みが料理に奥行きを生んだり、育てることで見えてくる素材の魅力を最大限に生かし、さらに独創的なスパイス使いで香りをプラスした一皿一皿は感動ものです。

何に対しても誠実に向き合うタシさんの料理をお目当てに、季節ごとに足を運びたくなります。

エノワ ユフイン
住所:大分県由布市湯布院町川上丸尾544
TEL:0977(28)8310
1室2名利用で1泊2食付き。1名7万2600円~。
写真の「ヒル・トップ・スカイ・パビリオン」は同18万1500円~。
IN/15時 OUT/11時 全19室

由布院のおすすめ立ち寄りスポット

【竹聲館】
暮らしの中で活躍する竹の道具

熟練職人ならではの匠の技が施された竹細工。緻密に編み込まれた竹の美しさと、実用性、機能性を兼ね備える。上から、透かし網代二重船形(高台付き)4万9500円、二本寄せ網代皿(高台付き)13万2000円、亀甲盛籠(小)9085円。

熟練職人ならではの匠の技が施された竹細工。緻密に編み込まれた竹の美しさと、実用性、機能性を兼ね備える。上から、透かし網代二重船形(高台付き)4万9500円、二本寄せ網代皿(高台付き)13万2000円、亀甲盛籠(小)9085円。

この道45年以上の髙見八州洋さんと奥さまの綾子さんが二人三脚で作り上げる竹細工の工房&ショップ「竹聲館」。

大分県は日本一の真竹の産地ですが、なかでも竹取りの名人と呼ばれる人が自ら山に入ってとった良質の竹だけを使います。

その竹を十分に乾燥させ、籠の材料となる細く薄い竹ひごを作るところから、髙見さんの仕事は始まります。

直径10センチほどの竹を、竹割包丁一つで極細の竹ひごにする髙見八州洋さんと、竹を編む奥さまの綾子さん。

直径10センチほどの竹を、竹割包丁一つで極細の竹ひごにする髙見八州洋さんと、竹を編む奥さまの綾子さん。

四つ目編み、六つ目編み、網代編み、ゴザ目編みなど、基本的な編み方を独創的に組み合わせて作品を生み出します。その編組(へんそ)のパターン200種類以上。

「使い込むうちに、飴色になって風合いが増し、暮らしになじんでくるので、しまい込まずにぜひ使ってほしい」と話します。

店先に並ぶ竹籠は、天然素材の優しさと手作りの温もりが感じられる。

店先に並ぶ竹籠は、天然素材の優しさと手作りの温もりが感じられる。

ちくせいかん
住所:大分県由布市湯布院町川上2381-7
TEL:0977(84)7414
営業時間:10時~17時
定休日:月曜~木曜

【COMICO ART MUSEUM YUFUIN】
7人の作家の現代アートをミニマルな空間で鑑賞

由布岳をバックに、2階のオープンギャラリーに展示中の奈良美智の「Your Dog」をはじめ、森 万里子や名和晃平の立体作品も展示。© Yoshitomo Nara 2017

由布岳をバックに、2階のオープンギャラリーに展示中の奈良美智の「Your Dog」をはじめ、森 万里子や名和晃平の立体作品も展示。© Yoshitomo Nara 2017

2017年に開館した本館に、2022年7月、新館が増築され、展示エリアが約2倍になった現代アートの美術館。

当初から展示していた村上 隆、杉本博司の作品は一部入れ替えを行い、「かぼちゃ」や「インフィニティ・ネット」など20数点に及ぶ草間彌生の作品、宮島達男の「Time Waterfall」のほか、森 万里子、名和晃平といった日本を代表するアーティストの作品が追加されました。

浮世絵からアニメまでが持つ共通性を見出した村上 隆の代表的な「お花」モチーフ作品。©Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

浮世絵からアニメまでが持つ共通性を見出した村上 隆の代表的な「お花」モチーフ作品。©Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

建築デザインは本館同様、隈 研吾が担当し、木の質感を感じる焼杉の外壁が周囲の景観と見事に調和しています。

定員と入場時間制限があるため、混雑を気にせずに鑑賞でき、由布院の自然を背景に見るアートや建築には、新鮮な刺激や発見があります。

“由布院の集落に溶け込む「ムラ」”というコンセプトのもと、黒を基調とした外壁に。

“由布院の集落に溶け込む「ムラ」”というコンセプトのもと、黒を基調とした外壁に。

コミコ アート ミュージアム ユフイン
住所:大分県由布市湯布院町川上2995-1
開館時間:9時30分~17時30分
定休日:隔週水曜、ほか不定休あり
入館料:一般1700円(オンライン予約は1500円)
オンライン予約はhttps://camy.oita.jp/schedule/

【Special Information】

家庭画報誌面の感動をそのまま体験できる「家庭画報の旅」では、ラグジュアリー・オーベルジュ「ENOWA YUFUIN」に連泊、くじゅう・由布院・宇佐神宮 3日間のツアーを催行いたします! 詳細は2023年10月1日発売の家庭画報11月号、またはプレミアム旅行社までお問い合わせ下さい。(問)プレミアム旅行社 TEL:03‐3262‐6480(受付時間:平日10時30分~17時30分)

この記事の掲載号

『家庭画報』2023年11月号

家庭画報 2023年11月号

撮影/大泉省吾 取材・文/熊野由佳

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