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- 古き良き美意識に遊び心を加えて── 阿川佐和子さん、母譲りの羽織を楽しむ
お母さまから譲られたきもの簞笥のアイテムを仕分けしていた時に、意外にもたくさん見つかったのが“羽織”でした。
「ちょっとしたお出かけの時には、必ず羽織を着ていた母の姿が思い出されます」。帯付きでは歩かないというお母さまの時代の古き良き美意識を、阿川さんも早速に実践。
「キリリとしながらも、妙に落ち着く」という前ページの言葉のとおり、コートのように訪問先で脱ぐ必要のない羽織は、まさにジャケット感覚のアイテム。衿の縦ラインがスタイルアップ効果をもたらすことはもちろん、帯のお太鼓に添ってしなやかな曲線を描く後ろ姿には奥ゆかしい美しさが漂います。
阿川佐和子(あがわ・さわこ)
©Akinori Ito
作家・エッセイスト 1953年東京生まれ。大学卒業後、テレビ番組でのリポーターを機に、報道番組でのキャスターや司会を務める。映画やドラマに出演するなど女優としても活躍。『週刊文春』(文藝春秋)では対談「阿川佐和子のこの人に会いたい」を、『婦人公論』(中央公論新社)、『波』(新潮社)他では多くのエッセイを連載。テレビ朝日系列『ビートたけしのTVタックル』にレギュラー出演中。『母の味、だいたい伝授』(新潮社)他、著書多数。
撮影/森山雅智(人物)、伏見早織(本誌・静物、取材) ヘア&メイク/田中舞子(VANITÈS) 着付け/石山美津江 構成・取材/樺澤貴子