〔特集〕集いの日、“心”を伝える華やぎを「正装とメイク 私の流儀」 第2回 今、再び華やかな社交シーンが増えてきました。正装の場に臨む機会が多い3人のかたがたを取材し、招く側、招かれる側それぞれの立場に合わせた心構えや場にふさわしいドレスアップの実例、時代を上手に取り入れたヘア&メイク術を伺いました。
前回の記事はこちら>>
「ストーリーがあるものを身にまとうと、自信を持って会に臨めます」
渡辺紗耶子さん トーヨーキッチンスタイル専務取締役約20年も前に、日本に初めてアイランドキッチンを広めるなど、キッチンを中心とした暮らしを提案する「トーヨーキッチンスタイル」。豪華なシャンデリアを配した最高品質のオリジナルキッチンは、 “「住む」をエンターテインメント”をテーマに掲げる、社の代名詞。人生を豊かに彩るインテリアまでをトータルで展開しています。
専務取締役の渡辺紗耶子さんは代表であるお父さまの右腕としてさまざまな業務を担う日々。社交の場に出席する機会も多いといいます。「海外では少人数の集いがほとんど。正装スタイルで臨むのはおもに国内です。お招きいただく際は場所やドレスコードはもちろん、ホストのキャラクターや、そのかたが作り上げる世界観に沿いたいと思いますので、装いのテイストは会によって変えています」。
ご自身が主催する側の場合、たとえばショールームで行う新製品発表会などでは「ホストだからと控えめにするのではなく、弊社のコンセプトであるエンターテインメントの精神でドレスアップを楽しみます。華があって、かつ動きやすいカクテルドレスを着ることが多いですね」。
いつお声がかかってもいいよう常に自分磨きを心がけます
初対面や目上のかたと接する機会も多い渡辺さん。「きちんと相手のかたの目を見てお話しすることが大切だと考えています。そのために自信を持って会に臨めるよう、衣装やヘア&メイクはしっかり準備します。カンバセーションピースになりそうな目を引くアイテムや、旅先で仕立てたドレス、家族とのエピソードが詰まった小物など、ストーリー性のあるものを身につけると、そこからパワーをもらえて、一人で出席する場でも自分らしくいられます」。
【主催のお立場で】ショールームで開催する新製品発表会で
ドレス35万9590円/ラ・クチュール トーヨーキッチンスタイル イヤリング338万8000円 リング147万4000円~/ともに ハリー・ウィンストン(ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション) バッグ、靴/渡辺さん私物
動くことでより華やかさが増すふんわりチュールドレス透け感が美しい水玉チュールのカクテルドレス。肌の露出を控えながらもフォーマルな雰囲気を醸します。歩くとボリュームのあるスカート部分がふわりと揺れて印象がアップ。華奢なデザインのジュエリーを合わせて。
【ゲストのお立場で】取引先が主催するガラディナーへ
ドレス(参考商品)/ラ・クチュール トーヨーキッチンスタイル イヤリング690万8000円 リング424万6000円 ブレスレット95万7000円/すべてハリー・ウィンストン(ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション) バッグ/渡辺さん私物
着席スタイルでも映えるコサージュ付きロングドレス着席の場合は上半身にデザインポイントがあるドレスを選ぶという渡辺さん。白い肌に映えるペールピンクのドレスはパリのファッションウィークで買い付けたスペイン発ブランドの一着を、ご自身用にアレンジしたもの。
「テーマを決めてドレスアップ。非日常を存分に楽しみます」──渡辺さん
こうした社交術はおしゃれ好きなお父さまから学んだもの。インテリアのトレンドはファッションと連動しているという考えのもと、早くからファッションも手がけてきたお父さまの後を継いで、創業80周年の2014年にレディスファッション「ラ・クチュール トーヨーキッチンスタイル」を立ち上げました。ご自身で海外での買い付けやオリジナルデザインを行っており、今回のドレスは2点ともその中からセレクトしたものだそうです。
7月に約600人を招いた、ショールームのリニューアルお披露目会で。動くたびに揺れるカクテルドレスは、ホストの存在感を魅力的に高めています。
衣装は印象的に、一方メイクはシンプルに、が渡辺さん流。「メイクは好感度に影響しますので、幅広い年代のかたから親しみを持っていただけるよう、ネイルカラーも含めて清潔感を大切にしています」。肌と髪は艶を重視し、日々のケアに力を注ぎます。トレーニングによって育まれた美しい姿勢や所作も「いつお声がかかってもいいように」という心がけの賜物です。
正装メイクのポイント
愛されるピンクメイク。目もとはまつ毛がポイントホスピタリティをテーマにした、お客さまを温かく迎えるにふさわしい優しい印象のメイクです。リップはフレッシュな魅力が溢れる青味系ピンク。目もとにもほんのり色みを感じさせる程度にピンクブラウンを使い、輝きを感じさせます。ベースメイクは肌本来のいきいきとした艶感を生かした薄づきに。ヘアは編み込みでトップに高さを出し、正装感を演出したハーフアップ。
艶で魅せるヌーディメイク。陰影で視線を強めてスキントーンのドレスに呼応するように、頰や唇にも肌とつながるコーラル系のピンクを配しました。リップグロスで艶をプラスしていますが、グラスにつかないよう、軽くティッシュオフを。口もとがヌーディなので、アイメイクはブラウンシャドウで上下まぶたを囲み、印象を強めてバランスをとります。ヘアは編み込みで毛流れに動きを出し、柔らかな雰囲気になるようにまとめたアップスタイルです。
渡辺紗耶子(わたなべ・さやこ)青山学院大学在学中にフランスに留学。卒業後トーヨーキッチンスタイルに入社。広報宣伝等を経て2018年より現職。14年よりファッション部門「ラ・クチュール トーヨーキッチンスタイル」のディレクションも行っている。
※次回に続く
・
特集「正装とメイク 私の流儀」の記事一覧はこちら>>>