普遍的な存在を体現する
フレンチロックミュージカル『赤と黒』三浦宏規さんインタビュー『赤と黒』は“フレンチロックミュージカル”と題されている作品ですが、この作品の魅力として僕が感じたのは“普遍的である”ということでしょうか。この物語の設定は19世紀初頭のフランスです。ところがどの国であっても、そしていつの時代だったとしてもこの物語は受け容れられると思います。
僕が演じるジュリアン・ソレルは、決して褒められた生き方をしている人間ではありません。しかし、彼の気持ちが理解できるというかたもきっと多いはずです。どうしてジュリアンにみんなが惹かれるのか。僕もこのことをずっと自身に問いかけていきたいと思っています。彼が圧倒的な美貌の持ち主であることは、メイクで頑張ることにして、いったん脇に置くことにします(笑)。何かに情熱を持つ男、そして孤独を抱えているという男は、人の目には魅力的に映るのでしょうか。役作りのためにも、まずは女性キャストのかたがたに、彼について聞いてみるところから始めようと思います(笑)。
今回演出をなさるジェイミー・アーミテージさんとはまだ作品の深いお話はしていませんが、リモート会議で最初のご挨拶をし、自己紹介と世間話などをさせていただきました。とても信頼できるかただなと感じたので、直接お目にかかるのが楽しみです。
そして劇中の楽曲は爆発力がすごい! ジュリアンの秘めている思いを描くとこういう曲になるのかと驚きました。もはや歌うというよりは叫ぶといったほうが近いのではないかと思うほどです(笑)。とにかくパワーの必要な楽曲が多いので、曲に負けないようにしっかりと練習します。
嫉妬、野心、憎悪、情熱、そして愛。いろいろな感情を抱え、葛藤しながら生きていく姿には“美しさ”を感じます。その美しさを爆発的なエネルギーを持つ楽曲に乗せてお届けします。
三浦宏規1999年、三重県生まれ。5歳でクラシックバレエを始め、数々のバレエコンクールで入賞を果たす。最近の出演作にミュージカル『レ・ミゼラブル』、舞台『千と千尋の神隠し』、ミュージカル『ヘアスプレー』など。舞台『キングダム』では主役の信を演じた。
フレンチロックミュージカル『赤と黒』
フランスの文豪・スタンダールの小説『赤と黒』を原作としたミュージカル。注目作ミュージカル『SIX』の共同演出家で知られるジェイミー・アーミテージが日本初演出に挑む。野心家で美青年のジュリアン・ソレルが情熱的な禁断の愛に溺れ、人生の歯車が狂っていく様子が描かれている。出演は三浦宏規、夢咲ねね、田村芽実、東山光明、川口竜也、東山義久、駒田一ほか。
東京芸術劇場プレイハウス2023年12月8日~27日
S席1万3500円(全席指定)ほか
梅田芸術劇場(東京):0570(077)039(10時~18時)
URL:
https://www.umegei.com/rouge-noir2023/※大阪公演あり