健康で若々しい毎日を送るために欠かせない“腸力”。腸のさまざまな働きのなかでも、「排出力」を高めるためには、インナーマッスルである腸腰筋を鍛えることが効果的です。毎日の習慣にしたい、簡単なエクササイズをご紹介します。
※この記事は、発売中の『からだにいいこと』2023年12月号より一部抜粋・再編集しています。
女性は便秘になりやすい。解消のために腸を刺激しつつ心身をほぐして
教えてくれたのは…須永美歌子先生
日本体育大学 児童スポーツ教育学部教授、医学博士。月経周期の影響など、女性の身体的・生理的な特性を考慮したトレーニングプログラムを研究。女性アスリートの指導にも携わる。
「腸は副交感神経が優位になってリラックスしたとき、活発に働きます。しかし、30〜50代の女性は仕事や家事、育児などに忙しく、ストレスによって交感神経が優位になりがち。すると、腸の働きが悪くなって便秘が起こります」(須永美歌子先生)。
さらに、生理前や更年期には女性ホルモンのバランスが乱れ、腸の機能が低下しやすいそう。
これを解消するのが「着席ひじひざタッチ」です。
「体をひねりつつ脚を上げることで大腸に圧がかかり、滞った便の排出を促します。さらに、腹式呼吸によって副交感神経が優位になり、心身がリラックス。腸が本来の機能を取り戻し、血流も良くなります」
ポイントは、リズミカルに行うのではなく、呼吸をしながらゆっくり行うこと。また、食後すぐに行うのは控えましょう。「毎日の習慣にすると、ポッコリお腹の解消やウエストの引き締めにもつながりますよ」
「着席ひじひざタッチ」で期待できる体の変化
・大腸が刺激され“出せる”体に体をひねることで、大腸が刺激されて便やガスの詰まりを解消。さらに、脚を上げる動きで腸腰筋が膨らんで大腸に圧をかけ、ぜん動運動を促します。
・心身がゆるんで巡りがアップゆっくり腹式呼吸を行うと、副交感神経が優位になって心身の緊張がほぐれます。すると、腸が本来の機能を取り戻すだけでなく、全身の血流も良くなります。
・消化吸収力が上がり疲れにくく腸の機能が回復して便秘が解消することで、消化吸収力がアップ。栄養や水分がしっかりと全身に行き渡り、免疫力も高まって疲れにくい体に。
「着席ひじひざタッチ」のやり方
1.椅子に座ってひじを曲げ息を吸う椅子に座って脚を腰幅に開く。ひざを90度にして骨盤を立て、背筋を伸ばす。ひじを曲げて軽く手を握り、息を吸ってお腹を膨らませる。
横から見たところ。
2.体を左にひねり左ひざを右ひじにつける息を吐きながら上半身を左にひねり、左の太ももを上げて、左ひざを右ひじにつける。息を吐き切ったら1の姿勢に戻り、息を吸ってお腹を膨らませる。
3.体を右にひねり右ひざを左ひじにつける息を吐きながら上半身を右にひねり、右の太ももを上げて、右ひざを左ひじにつける。息を吐き切ったら1の姿勢に戻る。1~ 3を1セットとし、10セット行う。
〔ここに注意!〕前かがみにならないひじをひざに近づけると、背中が丸まるので注意。背筋を伸ばし、ひざをひじに近づけて。
〔ここに効く!〕腸腰筋が膨らんで大腸の動きを促進腸腰筋は上半身と下半身をつなぐ筋肉。脚を上げると力こぶのように膨らみ、周囲の組織や血管がグッと押されて大腸に圧がかかり、たまった便やガスの排出を促します。
〔+αテクニック〕腹直筋を鍛えてさらに腹圧を上げるお腹の前側にある腹直筋を鍛えると、便を押し出す力がアップ。仰向けに寝て脚を腰幅に開き、両ひざを立てる。両手をお腹に当て、おへそをのぞき込むように頭を起こし、10秒キープ。これを5~10回行う。
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『からだにいいこと』2023年12月号
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