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更年期以降を元気に過ごすためのヒント「漢方薬」。漢方に興味を持つことは、自分を知ること

2023.11.22

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〔連載〕天野惠子先生のすこやか女性外来(最終回) 日本の女性医療、性差医療の先駆者である天野惠子先生と、更年期とそれ以降の女性の健康について学びます。連載一覧へ>>

漢方の基本は“心身一如(しんしんいちにょ・心と体はつながっている)”。身体症状もメンタルの不調にも。漢方薬で、すこやかな人生を

私たちが更年期以降を元気に過ごすためのヒントをたくさん教えてくださった天野先生が最終回に選んだテーマは「漢方薬」。長年の女性医療・女性外来の経験を通して、漢方薬は生涯にわたり女性の健康維持の頼もしい味方になると確信したそうです。漢方について学び、自分に合う漢方薬に出会えたら、一生の宝物になるのではないでしょうか。

天野惠子先生(あまの・けいこ)

静風荘病院特別顧問、日本性差医学・医療学会理事、NPO法人性差医療情報ネットワーク理事長。1942年生まれ。1967年東京大学医学部卒業。専門は循環器内科。東京大学講師、東京水産大学(現・東京海洋大学)教授を経て、2002年千葉県立東金病院副院長兼千葉県衛生研究所所長。2009年より静風荘病院にて女性外来を開始。

「“心身一如”の考え方は女性医療にも共通の理念。それは、自分自身の心と体を知ることにほかなりません」―天野惠子先生

西洋医学の足りないところを漢方薬で補う両輪の医療


私が女性外来を始めたきっかけは私自身の更年期体験でした。次々と襲ってくる強烈な倦怠感、足の裏のしびれ、冷え―。産婦人科を受診しても有効な解決策は何も得られません。女性医療の遅れに愕然とし、自分でやるしかないと決意しました。

そこで気づいたのは女性には不定愁訴、特にメンタルの不調が多いこと。病気そのものをターゲットとする西洋医学ではカバーしきれず、対処法を考えていたとき思い出したのが漢方の基本理念“心身一如(心と体はつながっている)”でした。

漢方薬を試してみると予想以上の手応えがあり、西洋医学の足りないところを漢方で補う両輪の医療こそ女性には必要と確信したのです。

漢方に興味を持つことは、すなわち自分を知ること

漢方では「女の病は男に比して十倍治し難し」といわれ、女性の症状が複雑で治し難いが故に研究が進み処方も発達しました。性差はもとより体質や性格、生活環境も考慮する漢方の考え方は、まさに「傾聴と共感」を基本にその人全体をみる女性医療のコンセプトと一致します。

今回は女性が知っておきたい漢方の知識と月経関連や更年期の症状に使われる漢方薬についてお話しします。漢方に興味を持つと、自分自身の心と体に自然に目が向きます。これこそ、すこやかな人生を送るための基本姿勢だと私は思うのです。

次回に続く



*NPO法人性差医療情報ネットワーク「女性外来マップ」では、女性外来を開設している医療機関(2018年現在約300か所)のリストを公開。
URL:http://www.nahw.or.jp/hospital-info

*「女性外来オンライン」(天野惠子先生主宰)では、天野先生ご自身が厳選した女性の健康の回復や維持に役立つ信頼性の高い情報を発信しています。

公式サイト「女性外来オンライン」:https://joseigairai.online/

YouTube「女性外来オンラインチャンネル」はこちら>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2023年12月号

家庭画報 2023年12月号

撮影/鍋島徳恭 取材・文/浅原須美

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