誰もが知るあの曲『ジ・エンタテイナー』の生みの親、作曲家スコット・ジョプリン

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」　難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら＞＞

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第85回　スコット・ジョプリン『ジ・エンタテイナー』

イラスト／なめきみほ

アメリカ音楽の黎明期に生まれたお洒落なラグタイム

今日11月24日は、アメリカの作曲家スコット・ジョプリン（1868～1917）の誕生日です（異説あり）。ジョプリンときいてぴんとこない方でも、彼の代表作『ジ・エンタテイナー』を聴けば、すぐに納得するのではないでしょうか。

アフリカ系アメリカ人としてアメリカのテキサスに生まれたジョプリンは、生活の中でダンス音楽に親しみつつ、20代後半になってようやく本格的にクラシックの勉強を始めます。後にジャズへとつながるダンス音楽とクラシック音楽との融合から生まれた音楽を「ラグタイム」へと発展させ、自ら作曲と演奏を実践。その合間にクラシック作品の作曲も継続したジョプリンは、近年徐々に再評価が進みつつある作曲家の1人です。

そのきっかけとなったのが、1973年の映画『スティング』に使われた『ジ・エンタテイナー』でした。ピアノが奏でるラグタイム調の印象的な音楽は、スコット・ジョプリンの名とともに広まり、今やジャンルを超えて愛される人気曲となっています。

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田中 泰／Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。