季節のオノマトペ 12月・北風「ぴいぷう」
選・文=山口仲美(日本語学者)北風の吹きすさぶ季節。この時期に口ずさみたくなるのが、唱歌の「たき火」。「垣根の垣根の曲がり角、たき火だ、たき火だ、落ち葉たき。あたろうか。あたろうよ。北風ぴいぷう吹いている」。北風の音は、「ぴいぷう」。普通は、「ぴゅうぴゅう」とか「びゅうびゅう」ですね。「ぴいぷう」は、どこか暢気で明るい北風の音。なぜ、そんな感じがするのでしょうか?
写真/YUMIK〈PIXTA〉
「ぴい」は、笛の音を表すことが多いオノマトペ。「ぷう」は、下手なラッパやトランペットなどの音を写すことが多いオノマトペ。つまり、「ぴいぷう」は、笛やラッパといった吹奏楽器の音を感じさせるオノマトペ。
写真/クロトン〈PIXTA〉
だから、明るい。おまけに「ぷう」の音は、子供たちの大喜びする「おなら」の音まで連想させる。だから、めっぽうユーモラス。これなら、寒い冬も乗り越えられると思わせてくれます。
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