藤野幸信さんが選ぶ「季節の贈り花」 今、この花を贈りたい! 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが“今贈りたい”おすすめの花をセレクト。その花を使った、新作ブーケ&アレンジメントをさまざまなバリエーションでお届けします。
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11月の花「秋色カーネーション」
鮮やかで深みのある濃いピンクのカーネーション‘フェミニンミナミ’は、秋冬の贈り花にぴったり。バラ‘ドラマティックレイン’、クレマチス‘天使の首飾り’、リシアンサス‘セレブリッチラベンダー’を合わせ、コニファーの‘ブルーアイス’をあしらったアレンジ。お友達の誕生日を祝う贈り花です。
藤野幸信/Yukinobu Fujino広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「フルール トレモロ」オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。著書『大切な人への贈り花』も好評。 https://www.fleurs-tremolo.com @fleurstremolo おしゃれ感の高い花色が豊富に揃っています!
日本で出荷量の多い切り花といえばマム、バラ、そしてカーネーション。いずれも一年を通して何かしらの品種が手に入ることも出荷量=利用される量が多い理由の一つだと思います。
通年の花といいつつ、今回カーネーションを取り上げるのは、秋冬のイメージにぴったりの花色がよく出回るからです。最近のカーネーションは本当に花色が豊富で、とくにピンク系の色幅の広さには花屋でさえ驚くほどです。儚げな淡いピンクから、あでやかなピンク、くすみ系のピンクなどが揃っていて、どのピンクもほかの花と合わせやすいため、贈り花にピンクが欲しいとき、カーネーションはとても重宝します。
なかでもあでやかでこっくりした深みのあるピンク、品種でいうと‘フェミニンミナミ’のようなピンクは、秋冬の雰囲気によく似合うと感じます。
秋冬におすすめのカーションがたくさんある中でも、これぞと感じるのが‘ペシモンミナミ’です。少しくすみのある淡いアプリコット色は、秋が旬の果物、柿を想像させます。しゃれた雰囲気があり、贈り花に大人っぽい印象を加えたいときはこの花色がとても効果的です。
香川県のカーネーション農家「真鍋農園」さんと「香花園」さんが協力して生み出した‘ミナミ’シリーズの一つ‘ペシモンミナミ’。‘ミナミ’シリーズは大輪のスタンダード品種で、大きなものでは花径が10cm近くになります。ボリューム感も抜群で主役として使いたいカーネーションです。
さらに、濃いボルドー色の‘ノビオ バーガンディ’や繊細なバイカラーの‘レディシーン’なども秋冬の贈り花によく利用しています。また、花びらの縁にフリンジのある‘シャララ’シリーズもグラデーションがとても美しくて惚れ惚れする品種です。
母の日だけでなく、一年を通してこれだけカーネーションをよく利用するのは、きっとカーネーションが好きだからなのだとあらためて思います。そして、それはどの時期でもクオリティの高いカーネーションを提供してくれる信頼のおける生産者さんがいるからこそ。花農家さんへの感謝の気持ちも込めて、贈り花を制作したいと思います。
秋色カーネーションを使ったブーケ&アレンジメント12選
下の「フォトギャラリーを見る」から、ブーケ&アレンジメントのバリエーション12点をご覧いただけます。
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