治療と生活をよりよく継続するために心の状態も見つめてみる
治療は主にカウンセリング、体の緊張をほぐすリラクゼーション、抗うつ薬や抗不安薬などによる薬物療法です。
身近な人やがん経験者に不安やつらさを聞いてもらう、仕事や趣味に打ち込む、散歩や軽い運動、呼吸法などをやってみる、患者団体に参加するなど自分でできる不安やストレスへの対応法もあります。その方法に関しても心のケアの専門家にアドバイスをもらえます。「不安が強いときには情報に振り回されやすいので、信頼できる情報源を見ることも重要です」(下)。
【関連情報はココに!】がんと心に関連するサイト
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国立がん研究センターがん情報サービス・心のケア■
日本サイコオンコロジー学会・一般の皆様へ■
日本サイコオンコロジー学会・がん患者さんとご家族のこころのサポートチーム 家族や遺族にも心のケアが必要な場合がある
前述のように、がん患者の周囲の人も大きな影響を受けています。「患者さんとどう接したらいいかわからない、将来が不安という声をよく聞きます。中にはうつ状態が続くかたもいます」。大切な人が亡くなって以来うつ状態が続いている、不眠や頭痛などが治らないといったケースもあります。
がん診療連携拠点病院には家族や遺族のうつ、悲嘆などをケアする家族ケア外来や遺族ケア外来を設けているところがあります。「お近くになければ、がん相談支援センターに相談する、あるいは一般の心療内科や精神科を受診するのも一案です」。松岡先生が編集責任者を務めた、日本初の『遺族ケアガイドライン』(2022年)も参考になります。
がん患者、そして家族は、不安や悩みを話せる場所があり、専門家がいることを知っておきたいものです。「まずは扉を叩いて、ご自身の気持ちを話してくださることが第一歩です」。
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