では、どうすれば運動や食事などの健康的な習慣を身につけることができるのでしょうか。
池田先生は「同時に多くの方法に手を出さず1つに絞ってまず3か月続けることが肝心です」とアドバイスします。ロンドン大学の研究チームが21~45歳の96名を対象に今までやったことのない行動が習慣化されるまでの期間を調査したところ、早い人で18日、遅い人で254日かかり、その中央値は66日でした。
「この中央値に準備期間を加えると約3か月となり、ある特定の行動を習慣化したいのなら、このくらいの期間は、その行動を続けなければならないと考えられています」と池田先生は解説します。
一方、どのくらいの頻度で運動を続けると定着しやすいのかということを示した論文もあります。これはビクトリア大学で行われた研究で、スポーツジムに通うことが「続いた人」と「続かなかった人」の違いについて分析したところ、
運動習慣を確立するには、週に少なくとも4回、6週間にわたって運動しなければならないことがわかりました。
「ダイエットは短距離走ではなく、マラソンのようなもので何より継続が大事です。短期間での結果を求めるとダイエットは失敗する可能性が高まります。紹介した研究データが示す期間や頻度を参考に継続することを目標にして取り組んでください」と池田先生はエールを送ります。
●週4回以上の実践が継続を導く!
運動習慣の定着と運動頻度の関係Navin Kaushal,Ryan E.Rhodes J Behav Med. 2015 38:652-663.
DOI 10.1007/s10865-015-9640-7. Epub 2015 Apr 8.を参考に作成
ビクトリア大学がスポーツジムの新規会員111人を対象に12週間追跡した研究では、6週目まで多くの人が運動習慣を維持していたが、週3回以下でジムに通っていた人は徐々に意欲が低下し脱落していった。一方、週4回以上の人は意欲が低下せずに継続できた。
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