日常生活を離れて自分を見つめ直す リトリートで心身ともに健やかに 健康への意識の高い人たちが、ストレス発散や体のメンテナンスを楽しみながら行う方法として取り入れている“リトリート”。その効果とともに、おすすめのヘルスリゾートを厳選してご紹介します。
医師に教わるリトリートの意味と効果
雄大な自然の景色の前で自分と向き合う瞑想の時間は、心と体を健康へと導く第一歩です。
ホルモンバランスや自律神経にもよい効果を及ぼすリトリート
リトリートの目的は、自分の体の状態を知り、心身を解放することです。そのためにまずは、非日常の空間へ出かけましょう。日常から離れるだけで、自分とじっくり対話する環境が整うからです。理想は、豊かな自然に囲まれたリゾート施設での滞在。太陽の光を浴びて、いつもと違う香りや音の中で五感が刺激されるため、“幸せホルモン”の代表格であるセロトニンの分泌が促進され、精神が安定します。
リゾートで体験できるアクティビティへの参加もおすすめ。グループで行うヨガや自然散策などは、人とのつながりを感じやすいことから、もう一つの“幸せホルモン”として知られるオキシトシンの分泌が促されます。
自然の中に身を置けば、副交感神経が優位になり、心身が“休まるモード”に切り替わる効果も。その結果、疲労回復や血圧の正常化、病気を引き起こす原因の一つである活性酸素の低減にもつながります。
リゾートへは、自分の健康状態を把握するためにも、季節の変わり目など定期的に出かけ、できれば2泊3日は滞在するとよいでしょう。人生100年時代、健康寿命を延ばすためにも、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。
教えていただいた先生 ヘルスエキスパート協会 監修パートナー 皮膚科医・医学博士 長山功佑さん医療法人楸(ひさぎ)ながやま皮膚科理事長。人の美しさは体の内側から生まれることを実感し、自身も実践。予防医学の重要性にも注目し、監修するヘルスエキスパート協会で記事も執筆。
https://possim.co.jp/lecturer/nagayama/心身が整うリトリート4つの条件
1 日常生活から離れた自然の中に身を置くいつも過ごしている環境から離れることが重要。異なる環境に身を置くことで体内のスイッチが切り替わり、副交感神経が優位になってリラックスします。
2 自分と向き合い、心の声を聞くまずは、自分にさまざまな質問を投げかけて、現状を把握しましょう。そこから自分の求める理想像を見つけることが、精神の安定につながります。
3 人とのつながりを感じる体験をする“共同”“共有”の体験は、オキシトシンという幸福を感じるホルモンの分泌を促進し、ストレス解消に。積極的にグループで行うアクティビティに参加を。
4 体によい食事をとる体の内側の環境を変えるという意味で、食材やオメガ3などの油にこだわった食事を積極的にとりましょう。デトックスになるファスティングもおすすめです。
自宅でもリトリートを実践
「日常の中でも、簡単にリトリートはできます」と長山先生。続けてこそ効果があるので、負担にならず気軽に取り組める3つの方法を教えていただきました。
1.友人と料理を持ち寄ってのホームパーティ人とのつながりを感じ、オキシトシンが分泌されるとストレス発散に。日常なら、気の置けない友人と楽しく会話しながらの食事を。
2.キャンドルと音楽で非日常を味わう照明を消して、キャンドルを灯すだけで、自宅が非日常の空間に。瞑想用のヒーリング音楽などをかけて、ゆっくりと過ごしましょう。
3.朝日を浴びながら10〜15分歩くおすすめは早朝散歩。いつもより少し前に家を出て、公園を散策してから目的地へ向かう。寝つきがよくなり、睡眠の質も高まります。
※次回に続く
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