アンティークからブランドの逸品まで 一生もののカトラリーと出合う テーブル上でプレートの横に並ぶカトラリーは手で持ち、口に触れる機会の多い物ですが、一度入手すれば破損も少なく、長く愛用できます。子ども、孫の世代にまで使い継いでほしいと思えるカトラリーを探しに出かけてみませんか。
前回に引き続き、札幌で「アンティークギャラリー虎徹(こてつ)」を営む藤嶋誠一郎さん、優子さんに、アンティークシルバーの魅力を伺います。
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「アンティークギャラリー 虎徹」に教わる
ひとつの用途のためだけに作られた特別なカトラリー
華麗さを増す専用のサービングカトラリー
サービングカトラリーは、ゲストに“鑑賞”されるもの。限定的な用途のために、ひときわ美しい装飾で誂えられた。右から、螺旋の透かし紋様で飾ったフィッシュサーバー&フォーク。12万円 天使の羽を模したユニークな形のボンボンサーバー。2点で12万円 葡萄の実についたへたを除くグレープシザーズ。15万円 祝福の言葉が刻まれた象牙のフィッシュスライス。18万円 砂糖をまぶすために透かしを施したシフタースプーン。8万円 小花が愛らしいソースレードル。シフタースプーンとセットで8万円 ゼウスのマスクを描いたバロック様式のケーキサービングナイフ&フォーク18万円。すべてSS。
スターリングシルバーのカトラリーが王侯貴族の間で使用されるようになった17世紀以降、貴族の館は王様が立ち寄る宿泊地であり、貴族同士の社交場でした。
来賓をもてなす食事の席で披露されるカトラリーは、館の主の“財力”を表す存在。シルバースミスの技が宿る上等なものを、テーブルの最小人数の12名分を揃えることが最低条件でした。
注目の的は、ある用途のために特注されたサービングカトラリー。例えば、ベリー専用のボンボンサーバーは、英国で栽培できない南国のフルーツを屋敷内の温室で育て、もぎたてを供するためのものでした。
「カトラリーは財力の誇示だけでなく、最高のおもてなしのために、多彩な意匠や用途が生まれたのだと思います」と藤嶋さん。
珍しいカトラリーは、現代のおもてなしの場も個性的に彩ります。アンティークシルバーの世界への第一歩として、ときめく一本を選んではいかがでしょう。
アンティークギャラリー 虎徹札幌市中央区宮の森三条10丁目3-3 ステータスビル1階
TEL:011(621)3030
営業:12時~17時 日曜・祝日定休
※素材の表記は、SS=スターリングシルバー(純度92.5%) SP=シルバープレーテッド(銀メッキ) G=ゴールド MOP=マザーオブパール(白蝶貝)
※ナイフは刃がステンレス製の場合があります。
(次回へ続く)
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