〔特集〕最先端スキンケアが叶える新時代の肌づくり「肌の美しさ」の正体 第2回 「肌の美しさ」とは何でしょうか。どこから生まれるのでしょうか。先進の科学によってその実態が定義づけされ、少しずつ明確になってきています。
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ディオール「年齢に“抗う”から“逆転”する時代へ」
パルファン・クリスチャン・ディオール
サイエンティフィック
コミュニケーション ディレクター
ヴィルジニー・クトゥローさん皮膚生物学およびコスメトロジーで学位、薬学で博士号を取得。30年にわたり化粧品研究に従事、主に性能評価において革新的なプログラムを率いた。2021年より現職。
【Keyword】リバース エイジングとは?
エイジングは取り戻すこともできるという発想から、単に寿命を延ばすのではなく、健康と生活の質の向上を目指す研究で、ディオールとLVMHリサーチが進めています。
科学は時間に勝利する。見た目の年齢は化粧品で若返らせることが可能に
生まれてから今までの経過時間という意味での年齢は、もはや単なる記号でしかないのかもしれません。ディオールサイエンスは最新のスキンケアにより、例えば9年分のシワをなかったことにして肌の見た目年齢を下げることが可能であることを、科学的に実証しています。
「年齢には、不可逆的な経過年齢とは別に、見た目を決める生物学的年齢があります。私たちは長年『リバース エイジング』と呼ぶ、生物学的年齢を巻き戻す化粧品の処方・開発に取り組んでいますが、その歩みは現在急ピッチで加速しています。2023年6月に世界的権威である18名の科学者たちと国際会議を開催し、新たに定義された老化の12の指標とメカニズムに対して、知を結集させたアプローチを進めています。これはスキンケアだけでなく、ポジティブエイジングという、希望や未来を切り拓くことまでも見据えています」とサイエンティフィック コミュニケーション ディレクターのヴィルジニー・クトゥローさん。
「最新の研究では、細胞老化を生み出す“根源”となる因子の特定に初めて成功しました。私たちを取り巻く環境や、体内にも存在するストレス因子、グリオキサールです。同時に、152もの有害な分子で構成され細胞老化を加速させるエイジ・シグナル・ネットワークの存在もつきとめました。グランヴィル ローズの初つぼみから特別な工程で抽出したプレミエ ローズ エキスが細胞老化と炎症老化、2つのプロセスに作用することがわかっており、老化を根源から逆転させるリバース エイジングの実現へと導きます」
美しいという感覚を数値化しスキンケアは次のステージへ
リバース エイジングでは、肌の美しさを肌構造、色、質感という3つの軸でとらえます。女性たちのマインドにある理想に限りなく近い見た目年齢の実現を目指し、その分析と測定にはAIを導入しているとのこと。
「その一方で、今日、美しさの定義はより包括的なものへ進化しています。美はポジティブで多様であり、一人一人固有のものです。このリバース エイジングが女性たちに大きな意義をもたらすことを心から願っています」。
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