〔特集〕最先端スキンケアが叶える新時代の肌づくり「肌の美しさ」の正体 第8回 「肌の美しさ」とは何でしょうか。どこから生まれるのでしょうか。先進の科学によってその実態が定義づけされ、少しずつ明確になってきています。
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〔幸福感が肌の美しさの鍵〕心まで癒やすケアで、化粧品の効果を高めましょう
コーセー研究所 皮膚・薬剤研究室
小林豊明さんエイジングケア研究を中心に、皮膚科学研究と美容成分の開発に従事。同一人物の30年以上にわたる加齢変化の分析をもとに再生メソッドを追求。
【Keyword】オキシトシンとは?
幸福感に関連する神経伝達物質の一つ。大切な人やペットとの触れあいやマッサージなどの心地よい刺激によって主に脳内で分泌され、血液によって全身に運ばれます。
「肌の美しさ」に最新解答。幸せホルモンのオキシトシンが肌の再生を促し、美肌へと導く
幸せな人は肌も美しい──女性なら誰もが体感している心と肌のつながりを科学的に解明する取り組みが世界中で進められています。
「この分野においてはストレスが及ぼす影響が社会的課題であることから研究が先行しており、対してポジティブな感情と肌との関係はまだ未知数な部分が多いのが現状です」と小林豊明さん。
この先進的テーマにニューロサイエンスの視点から取り組むコスメデコルテは、幸福ホルモンとして知られる「オキシトシン」が真皮再生を促進し、美肌づくりに貢献していることをつきとめました。
「オキシトシンは細胞増殖やコラーゲンなどの産生を促す線維芽細胞増殖因子(FGF)のレセプター(受容体)を遺伝子レベルで増加させます。また表皮細胞を健やかに育む酵素PLCδを活性化する作用も認められています」。
この研究成果を化粧品に応用すべく、金香木エキスを独自に開発。最新のシリーズに配合しています。
心まで満たされるお手入れが肌を美しく輝かせる
心地よい香りやテクスチャーが肌に与える影響についても、小林さんは言及します。「例えば、金香木や月下美人などの花々をブレンドした香りが血色感やポジティブな気持ちを高めるというエビデンスが取れています。
オキシトシンの血中濃度測定にまではいたっていませんが、その可能性は十分に考えられます。
これまでの研究から、睡眠が肌に影響することや、リラックスすることで日々のストレスを緩和することが肌にも重要であると考えます」。
すなわち、ラグジュアリー化粧品の五感に響く上質な質感や香りは心を通して肌に効くもの。だからこそ、使う側もそれを存分に堪能したいものです。「その科学的根拠を知っていただくだけで、おのずとスキンケアタイムの過ごし方も変わってくるのではないでしょうか」。
肌だけでなく心までケアを
■リラックスできる環境をつくる
■香りを味方につける
■手の温もりを肌に伝える