〔特集〕脇屋友詞 料理人人生50年「今、この道を生きる」 札幌から上京した15歳の少年が中国料理の道に入り、一段一段キャリアを積み重ねて50年。エレガントであり、五感をフル稼働させて感動をもたらす、中国料理のスタイルを切り拓いてきた脇屋友詞シェフの足跡。そしてこれから——。
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家庭でも作りやすいチャイニーズを教え続ける
メディア出演やレストランでの料理教室などを通じて「食べる喜び、作る楽しみ」を伝え続けることも脇屋さんが大切にしてこられたライフワークです。
「お客さまに頼まれて始めたレストランでの料理教室はもう30年以上になります。普段、厨房ではパパッと料理してしまいますが、一般のかたに作りながら教えるのは実はとても難しい。とにかくゆっくり話し、理論的なことをしっかりかみ砕いて説明する。その繰り返しでした」。
丁寧に伝える基本の「キ」、ちょっと洒落た家庭料理のレシピは長く愛され、コロナ禍の最中にはYouTubeでも発信を始めています。
「リアルな料理教室の生徒はほとんどが女性ですが、YouTubeには男性も結構多い。熱心な質問がダイレクトに届きますし、意外な料理で再生回数が増えることもあって、新鮮かつ大きな励みになっています」。
進取の精神で50年。私たちに美味なる驚きと喜びを伝えるべく、今日も広くアンテナを張り巡らしている脇屋さんです。
脇屋シェフ十八番レシピより「しらすの香味醬」
ご飯のお供にも、おつまみにもなる常備菜。大きめのしらすを使うのがおすすめ。脇屋シェフのお気に入りは福島県請戸漁港の「柴栄水産」のしらす。
<材料と作り方>(作りやすい分量)(1)鍋に太白ごま油(サラダ油でも可)400mlを入れて火にかけ、温度の低いうちにみじん切りにした生姜・にんにく各40グラム、ねぎ80グラムを入れ、香りが立つまで炒める。小口切りにした青唐辛子10グラムを加える。
(2)味噌20グラム、酒大さじ2を合わせて溶き、(1)に加えてよく混ぜる。泡が細かくなってきたらしらす240グラム、半分に切ったにんにく2かけ、赤唐辛子適量を入れ、混ぜながら炒める。
(3)泡がさらに細かくなったところでグラニュー糖小さじ1を加え、ひと煮立ちさせる。皿に盛って完成。
脇屋さんのYouTubeチャンネル「Wakiya YujiのYUJI CHANNEL」配信中
基本的に週2回更新。レストランスタッフが構成、撮影する手作り感も味わい深い。
URL:
https://www.youtube.com/@WakiyaYujiYUJICHANNEL/
脇屋友詞(わきや・ゆうじ)1958年北海道札幌市生まれ。1973年15歳で料理の道に入り、赤坂「山王飯店」、「東京ヒルトンホテル」、「キャピトル東急ホテル」等での修業を経て、1985年27歳で都内ホテルの料理長、1992年同ホテル総料理長になる。1996年、「トゥーランドット游仙境」代表取締役総料理長。2001年東京・赤坂に「Wakiya 一笑美茶樓」、2011年「トゥーランドット臥龍居」をオープン。2014年黄綬褒章を受章。現在、公益社団法人日本中国料理協会会長。料理人人生50年を迎えた2023年12月、銀座5丁目に「Ginza 脇屋」をオープン予定。
●Ginza 脇屋(2023年12月13日開業予定)
住所:東京都中央区銀座5-10-5 スリーY’S & D1、2階
TEL:03(5545)1517(開業準備室。平日12時~18時)
(次回へ続く。
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