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「年末といえば ベートーヴェンの『第九』」は日本だけ? その由来とは

2023.12.31

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クラシック音楽を楽しく学べるトリビアを毎日お届け。

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら>>

第122回 ベートーヴェン 『交響曲第9番』

イラスト/なめきみほ

イラスト/なめきみほ

ベートーヴェンの『第九』が年末の風物詩となった理由とは

今日12月31日は「大晦日」です。

年末のクラシックといえば、ベートーヴェン(1770~1827)の「交響曲第9番『第九』」というイメージが強いのではないでしょうか。その理由の1つが、毎年大晦日にNHKが放映する『第九』でしょう。個人的には、コンサートで体験するずっと以前からテレビで『第九』を見ていた気がします。

そもそもなぜ年末に『第九』公演が集中するのでしょう。その理由は、戦後の混乱期にオーケストラの年越し費用を稼ぐため、日本交響楽団(現NHK交響楽団)が、聴衆の集まるこの曲を演奏し始めたのがきっかけだったといわれています。


オーケストラのほかに4人のソリストと合唱団を必要とする『第九』は、海外ではメモリアルなコンサートやイベントで演奏されることが多いようです。年末に『第九』公演が集中するのは日本のみ。近年は、聴くだけでなく合唱団に参加して『第九』を歌うのも大人気なのだとか。これには、作曲者ベートーヴェンも草葉の陰で驚いていることでしょう。


田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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