〔特集〕開運招福社寺と伝説を巡る 龍神絶景を行く 開運・招福につながる、龍ゆかりの寺社や聖地巡りが今ブームです。中国由来の霊獣、“龍”とは、日本人にとって、一体何なのか。龍神パワーが獲得できる“龍脈”や“龍穴”はどこにあるのか。そもそも日本の龍神信仰とは何なのか。2024年の干支、辰(龍)にゆかりの聖地を訪ね、謎多き日本の“龍文化”の実像とその不思議を紐解き、併せて2024年の開運を祈願します。
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龍神信仰ゆかりの聖地
大瀬崎──大瀬神社(静岡県沼津市)
龍神絶景の旅は、地理風水に基づき龍脈や龍穴にあたる自然のスポットや神社仏閣へ。地理風水師の御堂龍児さんが特別な場所という、絶景の大瀬崎からご紹介いたします。
大瀬崎の先端に位置する「神池」。神秘に包まれた“回龍顧祖”の地
大瀬崎(おせざき)の先端に位置する神池は、龍穴にあたる。その先にある波打ち際からは富士山の裾野まで望めるのが特徴。この位置関係は、龍脈の祖山である富士山を顧みることになり、「回龍顧祖」と呼ぶ特別な地形。海から近いところで15メートルほどなのに多数のコイやフナ、ナマズが生息する淡水湖のため、伊豆七不思議の一つでもある。
祖山・富士山とつながる龍神スポット
地理風水師の御堂龍児さんが足繁く通う、龍神様がいらっしゃる場所の一つが静岡県の大瀬神社。宮司の野村芳照さんに境内をご案内いただきました。
「ご神木にも、魂の躍動を感じます」と御堂さんはいう。1300年以上の樹齢のビャクシンで、境内に130本ほど見られる。野村宮司曰く「風でねじれている姿が生き物のようで、エネルギーを感じませんか」。
御堂龍児さん(以下、御堂) 最初に訪れたときに、こんな場所があったのか!と驚きました。巨大な龍脈が祖山である富士山に向かって海を渡る形になっていて、先端からは美しい富士山の山容が目にできる。風水でこのような地形は「蒼龍過海」と呼ぶ珍しい場所。さらに先端の神池が龍穴。日本一の景観だと思います。
神池をゆっくり回った後、先端の波打ち際で丸い石の上に座りながら富士山を無心で眺めるのが、御堂さんおすすめの過ごし方。
御堂さんが富士山に向けて法螺貝を吹くと海から魚が飛び出してきた。「龍神様が昇ってきたのかと思いました。こんな現象は初めて」と野村宮司。
野村芳照さん(以下、野村) 私も、日々この素晴らしい地で奉仕できることに感謝しています。龍穴の神池は神聖な場所として、魚に害を及ぼすと祟られるという伝説が残るほどです。
御堂 神池には、龍神様の気配を感じます。野村さんは、実際に龍神様をご覧になったことがあるのでしょうか。
野村 30年で3回お会いしました。4月4日の例大祭の準備を行った後、ふと海に目を向けると透明な龍神様が現れ、一瞬振り返ってくれたんです。言葉では言い尽くせない雰囲気で、フワッとした空気が流れ、喜んでいただいているように感じました。
大瀬神社は、海の守護神・引手力命(ヒキテチカラノミコト)がご祭神。
鳥居をくぐり、階段を上った先に拝殿が現れる。
御堂 ここは、大きな希望に向かって努力しているときに土地の力が共鳴して、よい方向へ導いてくれる場所です。龍神様はそのパワーの象徴だったのでしょう。これから訪れるかたは、この美しい自然に感動したならば、よい息吹をいただきながら参拝ができ、龍神様のパワーを授かれるかもしれません。
引手力命のご眷属(けんぞく)は天狗。拝殿へ続く鳥居の下には天狗の下駄、拝殿には天狗の彫刻が施されている。神池で悪さをする人がいると、大瀬神社の天狗が飛んでいって懲らしめたという伝説が残る。
手水舎や拝殿を、龍神様の存在を伝えるような見事な彫刻が飾る。
大瀬神社住所:静岡県沼津市西浦江梨329
TEL:055(942)2603
(次回へ続く。
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