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「慢性腎臓病(CKD)」の予防から治療まで。尿検査や血液検査による早期発見が鍵

2024.01.16

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サイレントキラーの病に備える 第1回(3)2024年の新連載は、気づかないうちに体を蝕み、進行すると命にかかわる病気を取り上げます。第1回は「慢性腎臓病(CKD)」です。東京大学大学院医学系研究科 内科学専攻 教授(腎臓・内分泌内科)の南学正臣先生にCKDの怖さや予防、早期発見について伺います。前回の記事はこちら>>

CKDの予防から治療まで。尿検査や血液検査による早期発見が鍵

[お話を伺ったかた]南学正臣先生南学正臣(なんがく・まさおみ)先生

東京大学大学院医学系研究科
教授(腎臓・内分泌内科)南学正臣先生

なんがく・まさおみ 1988年東京大学医学部を卒業後、ワシントン大学腎臓内科に留学。98年から東大附属病院に勤務し、2012年から東大大学院医学系研究科内科学専攻 教授、同大医学部附属病院腎臓・内分泌内科科長、23年東大大学院医学系研究科 研究科長・医学部長。現在、日本内科学会、日本腎臓学会、国際腎臓学会の理事長を務めている。

●予防

・糖尿病・高血圧といった生活習慣病の予防
・肥満の予防
・塩分を摂りすぎない
・禁煙

●検診・健康診断・人間ドック、他の病気の診察時の検査

・尿検査:尿たんぱくの有無
・血液検査:血清クレアチニン値、推算糸球体ろ過量(eGFR)
→初期には自覚症状はほぼない。「要精密検査」といわれたら、必ず再検査を! 

●診断

慢性腎臓病(CKD)の診断基準
下記の(1)(2)のいずれか、または両方が3か月以上続いた場合、CKDと診断される
(1)尿検査、血液検査、画像診断などで腎障害が明らかである(微量アルブミン尿を含むたんぱく尿など)
(2)糸球体ろ過量(GFR)が60mL/分/1.73㎡未満

●治療

CKDのもとになっている病気の治療
→必要に応じて腎臓の専門医の診察を受ける。場合によっては、かかりつけ医と専門医の2人主治医制に
生活習慣病:糖尿病、高血圧、脂質異常症など
腎臓の病気:糸球体腎炎など

薬物療法
RA系阻害薬(ACE阻害薬、ARB)、MR拮抗薬、SGLT2阻害薬など

食事制限(塩分、たんぱく質など)
さらに進行すると人工透析/腎移植

→進行してから出てくる症状
むくみ/だるさ/貧血/息切れ/薬の効きにくい高血圧/不整脈/吐き気・嘔吐/食欲不振/皮膚のかゆみ・ 色素沈着

・連載「サイレントキラーの病に備える」の記事一覧はこちら>>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年01月号

家庭画報 2024年01月号

イラスト/にれいさちこ 取材・文/小島あゆみ

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