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日本全国お雑煮巡り。福島・料理旅館 田事でいただく「こづゆ雑煮」

2023.12.21

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〔特集〕名旅館で出合うふるさとの味 日本全国「お雑煮」巡り 正月の祝い膳に欠かせない「お雑煮」は、地域ごとの違いが鮮明に残るきわめて特異な日本の食の遺産です。その時期ならではの地場の産物や縁起物を使った全国の名宿のお雑煮で、新春の旅に出かけましょう。前回の記事はこちら>>

・特集「日本全国お雑煮巡り」の記事一覧はこちら>>

福島の「こづゆ雑煮」

海山里の幸の旨みが椀の中で溶け合ったこづゆ雑煮。

干し貝柱のだしで野菜を煮た郷土料理が発祥

海山里の幸の旨みが椀の中で溶け合ったこづゆ雑煮。

“こづゆ”とは干し貝柱でとっただしで野菜などを煮た郷土料理で、会津地方では祝いの席に欠かすことのできない椀物です。


山に囲まれ、日本海からも太平洋からも遠く離れた会津では、江戸の昔、北の海で獲れた魚介類は塩蔵品や乾物に加工され、北前船で新潟へ、さらに船で阿賀野川を上って会津若松へと運ばれました。

おせち料理は会津塗の二段重に詰められる。北の海の幸の氷頭(ひず)なます、松前漬け、山の幸を使った磐梯竹の煮物、松たけ煮、やまめの稚魚の甘露煮などが入り、郷土色豊か。

遠路はるばる運ばれてきた海の幸と、土地の山の幸、里の幸が出合って、にしんの山椒漬け、棒だら煮、鯨汁など、数々の郷土料理が生まれ、今に伝えられています。

干し貝柱、干ししいたけ、にんじん、里いも、きくらげ、糸こんにゃくなど、こづゆ雑煮の食材。

「料理旅館 田事」では、こづゆはお雑煮としても登場します。その場合は豆麩を入れず、代わりに餅が入れられます。見た目は質実ながらすっきりとした香りで、滋味深い味わいです。

料理旅館 田事(りょうりりょかん たごと)
福島県会津若松市城北町5-15
TEL:0242(24)7500

(次回へ続く。この特集の一覧>>

この記事は2008年1月号「お雑煮とおせちの旅」を再編集したものです。料理内容等は現在と異なる場合があります

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年01月号

家庭画報 2024年01月号

撮影/大泉省吾、齋藤幹朗、三苫正勝、本誌・坂本正行 取材・文/遠藤綾子、瀬川 慧、西村晶子、森山弥生

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