辰年生まれの時代の顔がまとう “年男年女”の 正月きもの 個性が際立つ晴れ着姿でご登場くださったのは、十二支の中でも架空の動物であり、隆盛の象徴とされる辰(龍)年生まれの皆さん。お仕事にかける思いや原動力、新年の抱負を伺いました。
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村雨辰剛さん
故郷スウェーデンから遠く離れた極東の国、日本に惹かれ、独学で日本語を習得し、来日。26歳で日本国籍取得と改名を果たした村雨辰剛さんは、「郷に入っては郷に従え」などのことわざもさらりと使いこなす日本通です。
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フォトギャラリーを見る>> きものは明るいグレー地に同系色で変わり菱文様を織り出した趣味性の高い御召。濃い紺の羽織に村雨さんの瞳の色に近い明るい蒼色の羽織紐を合わせて、印象的なコーディネートに。薄青の袴でフォーマル度を上げています。きもの・羽織・帯・袴・扇子一式/銀座もとじ 男のきもの
「きものは僕を日本人に近づけてくれる懸け橋のような存在。きものと羽織、庭師の仕事で着る印半纏を持っています」と流暢な日本語で語ります。
連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の米軍将校、『大奥2』の蘭方医、大河ドラマ『どうする家康』の三浦按針と、次々に重要な役を演じ、話題となっている村雨さんですが、もともとは庭師。現在も、庭師と俳優という二足の草鞋で精力的に活動しています。
高校生のとき、自ら手配した日本留学に始まり、新しいことに挑戦し続けている村雨さんは、そのエネルギーの源を「未知のものへの好奇心、冒険心」と話します。
「何が起こるかわからない、刺激のある人生が好きなんです。庭師も俳優も難しいことばかりですが、だからこそ、やりがいも達成感も大きい。何歳であっても、やりたいことがあれば、挑戦したほうがいいと思います」。
「生まれ変わっても、もう一度日本を好きになって、この国へ来ます」
最後に、生まれ変わったら、日本人になりたいですか?と尋ねると、「そう思った時期もありましたが、今は思いません。外から見た日本がよかったから、もう一度スウェーデンに生まれて、日本を好きになって、この国へ来たいです。もし今の記憶を残したまま生まれ変われるなら、いくつか改善したいことはありますが(笑)」。
日本を愛する人生の冒険家、村雨さんから目が離せません。
村雨辰剛(むらさめ・たつまさ)1988年スウェーデン生まれ。高校卒業後、来日。語学講師を経て、23歳で庭師の道へ。26歳で帰化。『みんなで筋肉体操』の出演で注目され、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で本格的に俳優の世界へ。古民家に暮らしながら、庭師と俳優を兼業する稀有な存在。
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