シリーズ4冊が好評発売中の「いちばん親切な着物の教科書シリーズ」(世界文化社)より、新春から役立つ着物知識を全10回でお届け。第9回は最新刊、カリスマ着付け師の大久保信子さんによる『人に着せる着付けと帯結び』から一部を抜粋して、自分が着るときにも役立つ、年齢に応じた着付けのコツをお届けします。
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無駄な補整はおデブのもと!
監修=大久保信子すき間を埋めようとつい補整を多くしがちですが、これらはすべて体の厚みとなり、実際の体型よりも太って見えてしまいます。本来補整が必要なのは、腰のくびれと胸元のみ。それも体型によっては必要ではない場合もあります。
まずは無駄な補整を見直して、思い切って補整を必要最低限にとどめてみてください。それだけでほっそりと着付けることができ、また着る人の快適さも変わってきます。
着る人の体型に応じた補正のポイント「胸の厚さ」
ハト胸…補整はとくに必要ありません。
胸の厚みが少ない…補整をしてハト胸に近づけます。
バストの上の胸元が薄い場合、手ぬぐい補整(※)を横に置いてハト胸にします。紐は使わず、左右をセロハンテープでとめて固定します。
バストが豊かで谷間が深い…体と帯のすき間を補整で埋めます。
胸の谷間が深い場合は、手ぬぐい補整を谷間に沿って縦に置き、左右をセロハンテープでとめて着物と体のすき間を埋めます。
※「大久保式」手ぬぐい補整半分にカットした手ぬぐいを、15×10センチぐらいに小さく折りたたんで作ります。
着る人の体型に応じた補正のポイント「腰のくびれ」
反り腰…とくに若い方は腰にくびれがある場合が多いので、補整が必要に。くびれたままだと帯を結んだときに、お太鼓の底線と垂れの境界線にへこみが生じることも。浴用タオルを使った補整(※)ですき間を埋めます。このとき絶対に紐は使わないこと。裾よけの紐にはさみ込んで固定します。
NGお太鼓の底線と垂れの境界線にへこみが生じている状態。このへこみをタオル補整で埋めます。
補整は腰のくびれのみ!裾よけのあまった布や紐類、おはしょりのあまり、それらがすべて補整となるため、タオル補整はくびれにのみ当てます。また紐は使わず、裾よけの紐にはさんで補整します。
NGウエストを囲むようにタオルを巻くのは絶対にNG。帯を巻いたときに胴回りが太く見えてしまいます。
※「大久保式」タオル補整
色落ちしない浴用タオルを使います。タオルの左右を中央に向かって折り、さらに半分に折ります。上部を折って腰のくびれ部分にはまるくらいの大きさに調整します。
●大久保 信子着物スタイリスト、江戸着物研究家、NHK文化センター青山教室講師、三越日本橋本店三越カルチャーサロン講師。きもの雑誌やテレビ・CMで多くの女優の着付けを担当。絶大な信頼を得ている。
いちばん親切な着物の教科書シリーズ
『人に着せる着付けと帯結び』
カリスマ着付け師・大久保信子さんが、とっておきのノウハウを大公開!着物姿を最終的に決めるのは「着付け」です。衿合わせや抜き加減、帯位置や裾合わせで随分と印象が変わります。着る人の魅力を最大限に引き出し、動きやすく楽な着付けに定評のあるカリスマ着付け師・大久保信子さんが、プロの技や道具を惜しみなく公開します。1980円(世界文化社)
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