シリーズ4冊が好評発売中の「いちばん親切な着物の教科書シリーズ」(世界文化社)より、新春から役立つ着物知識を全10回でお届け。第10回は最新刊、カリスマ着付け師の大久保信子さんによる『人に着せる着付けと帯結び』から一部を抜粋して、自分が着るときにも役立つ、年齢に応じた着付けのコツをお届けします。
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年齢・体型に応じてお太鼓の高さを決めます
監修=大久保信子お太鼓の山線は高いほど若々しく豪華に、下げると落ち着いた雰囲気になります。山線の高さは背紋の位置を目安にするといいでしょう。
帯枕の厚みが合わない場合、枕が薄ければタオルを巻き付け、逆に厚すぎるときは手ぬぐいを丸めてちょうどいい厚さにしてからガーゼでくるんで代用するか、帯枕の天地を逆にします。
山線の高さは背紋の位置を目安に
背紋のすぐ下振袖や豪華な柄の訪問着を着付けるときは、高めに結ぶと華やかな雰囲気になります。
衿付けから山線のほぼ真ん中に背紋ヒップラインが下がり、背中の肉付きもよくなる中年以降は、低めにして体型カバー。
背紋よりもかなり下60代以降は帯枕も薄くして低めに結ぶと体型カバーだけではなく、こなれた雰囲気にも。
大柄な人やふくよかな人ほどお太鼓を大きく、「て」を長めに
大柄な人やふくよかな人ほどお太鼓を大きく作って背中の面積を小さく見せます。また通常「て」はお太鼓の端から2〜3センチ出し、て元は際から裏側に入れ込みますが、て元を3〜4センチ出すことで体の横幅とのバランスも取れます。
△お太鼓が小さい(左)と、背中にしょっている感が否めず、ヒップラインも強調されています。
◎お太鼓がちょうどいい大きさ(右)だと、ヒップラインが隠れて腰回りがほっそりと見えます。
△「て」の長さが通常通り(左)の場合、体の横幅に比べると、お太鼓が小さく見えてしまいます。
◎長めに「て」をとる(右)と、お太鼓の横幅が出るため体の横幅を強調しません。
年配の方であればあえて、
て元を斜めに形作ると、こなれた雰囲気に。て元の上線をお太鼓から2 〜3センチ出して斜めに形作ります。
●大久保 信子着物スタイリスト、江戸着物研究家、NHK文化センター青山教室講師、三越日本橋本店三越カルチャーサロン講師。きもの雑誌やテレビ・CMで多くの女優の着付けを担当。絶大な信頼を得ている。
いちばん親切な着物の教科書シリーズ
『人に着せる着付けと帯結び』
カリスマ着付け師・大久保信子さんが、とっておきのノウハウを大公開!着物姿を最終的に決めるのは「着付け」です。衿合わせや抜き加減、帯位置や裾合わせで随分と印象が変わります。着る人の魅力を最大限に引き出し、動きやすく楽な着付けに定評のあるカリスマ着付け師・大久保信子さんが、プロの技や道具を惜しみなく公開します。1980円(世界文化社)
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