鳥居の先の海底は龍宮への入り口
対馬北東部の海岸・琴崎(きんざき)にある胡禄(ころく)神社では海上からの参拝を基本に、海に向けて鳥居が立つ。海底には「龍宮の門」があり、亀に乗った海神・磯良(イソラ)がその門を出入りするという伝説がある。
対馬の伝承では、磯良は豊玉姫命の子とされ、和多都美神社には、鱗状の岩「磯良恵比須」が祀られている。
対馬では海が龍神──龍神信仰の源流、海神信仰の舞台へ
神功(じんぐう)皇后ゆかりの地、対馬南端・豆酘(つつ)の「小松崎神社」
対馬の西南部、厳原町(いづはらまち)豆酘の海岸にある小松崎神社は、海に面した岩場に立つ素朴な鳥居が古代的な海神信仰の雰囲気を今に伝える。
稲作地域に水の恵みをもたらす龍神は、海岸部では漁の神や航海の神として信仰され、沿岸部に見られる龍神(龍宮)の祠や鳥居は、古代の海神信仰の広がりを示す。
この海岸では、神功皇后が三韓征伐の際、対馬に寄港し、船出をしたことに由来する神事「カンカン祭り」が行われている。
(次回へ続く。
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