特集 京都の料亭「木乃婦」主人に習う、一日でできる本格おせち」家族揃って新しい年を無事に迎えられることに感謝し、手作りしたおせち料理をお正月に皆で囲む──日本人が大切にしてきた食文化です。この中から数品でもいいので手作りしてみましょう。家族の絆が今まで以上に深まるはずです。
連載一覧>> おせち+αでワインに合う一品に仕立てる
髙橋さん監修の「マンズワインしふく」とともに。
多様な味わいのおせち料理はこのままでもいろいろなお酒と楽しめますが、ひと工夫、ひと手間をかけることで味に幅が生まれます。
れんこんサーモンはレタスやジュレ、
紅白なますは干し柿のフルーティな甘みで華やかなシャンパーニュの前菜になり、
かに蕪巻きは
たたきごぼうの風味や柚子の酸味、
鯛袱紗焼きは松の実の香ばしさで白ワインが進むひと皿に。
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鴨ロースは濃厚なソースを合わせるだけで味が進化し、赤ワインに合う贅沢で食べ応えのあるメインディッシュに格上げされます。
白ワインに合う!「かに蕪巻き・たたきごぼうのみぞれ酢あえ」
おせち2品の組み合わせ。ごぼうの土っぽい香りと菊菜の青い香り、柚子を絞った大根おろしが白ワインを誘います。
【材料・2人分】
かに蕪巻き2本、
たたきごぼう適量、菊菜1/5束、大根おろし・柚子の果汁と皮・八方酢※・醬油・煮きり酒各適量 ※八方酢は
かに蕪巻きの残りを使用
【作り方】
(1)大根おろし、柚子の果汁と皮のすりおろし、八方酢を合わせる。
(2)かに蕪巻きは食べやすい大きさに切る。
(3)菊菜は4センチ長さに切ってゆで、たたきごぼうと醬油数滴であえ、煮きり酒少々で味をととのえる。
(4)(2)と(3)を器に盛り、(1)をのせる。
白ワインに合う!「鯛袱紗焼きとほうれん草の炒め」
油で炒めることでうまみが際立ち、いった松の実で香ばしさもプラスされます。
【材料・2人分】
鯛袱紗焼き8切れ、ほうれん草1/2わ、松の実・オリーブ油・塩・だし各適量
【作り方】
(1)鯛袱紗焼きは1センチ厚さに切る。ほうれん草は4センチ長さに切る。松の実はいって刻む。
(2)フライパンにオリーブ油を入れて中火で熱し、鯛袱紗焼きを入れ、空いたところにほうれん草を入れて塩をし、最後にだしを加えて炒める。
(3)器に盛り、松の実をふる。
赤ワインに合う!「牛ヒレ肉つけ焼き 里芋ピュレ」
牛肉の漬け地と、煮しめの里いもを合わせれば、濃厚な和のピュレができ上がります。添えるだけでつけ焼きの味が変化します。
【材料・2人分】
牛ヒレ肉つけ焼き200グラム、
煮しめの里いも4個、牛肉の漬け地・粗挽き黒こしょう各適量
【作り方】
(1)牛肉の漬け地を一度煮て、冷ましておく。
(2)煮しめの里いもと(1)少量をフードプロセッサーにかけ、ペーストにする。
(3)牛肉をフライパンで温め、食べやすい大きさに切る。器に盛り、(2)を添え、黒こしょうをふる。
赤ワインに合う!「鴨ロース 焼きしめじ味噌ソース」
鴨肉と好相性の赤味噌としめじを合わせたソース。薄く切った鴨肉でソースと白髪ねぎを巻いていただくと、赤ワインが進みます。
【材料・2人分】
鴨ロース6切れ、味噌ソース(赤味噌54グラム 煮きり酒・煮きりみりん各50ml 卵黄1/2個 砂糖3グラム)、しめじ1/2パック、白髪ねぎ・柚子の皮・サラダ油各適量
【作り方】
(1)味噌ソースの材料を鍋に入れ、弱火で混ぜながら火を通す。
(2)しめじは細かく刻む。フライパンに油を入れて炒めて(1)と混ぜ合わせる。
(3)鴨ロースを器に盛り、(2)をかける。白髪ねぎ、柚子の皮のあられ切りを飾る。
髙橋拓児さん(たかはし・たくじ)日本料理、仕出しに定評がある京都の料亭「木乃婦」の3代目主人。伝統的な京料理に科学的な調理技法を取り入れた料理を提案。日本の食文化を次代につなぐ活動にも尽力している。
京都市下京区岩戸山町416 TEL:075(352)0001
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