特集 京都の料亭「木乃婦」主人に習う、一日でできる本格おせち」家族揃って新しい年を無事に迎えられることに感謝し、手作りしたおせち料理をお正月に皆で囲む──日本人が大切にしてきた食文化です。この中から数品でもいいので手作りしてみましょう。家族の絆が今まで以上に深まるはずです。
この特集一覧はこちら>>余った食材・たくさんできた料理を“味変”で楽しむ
人数分以上に作って、余ってしまったおせち料理。もったいないと思いつつも元日を過ぎると味に飽きてしまい、2日目以降に重箱にそのまま追加してもなかなか手が伸びません。そんなときに見た目や仕立てを新しくすると印象も味も変わり、おせちで作ったとは思えない喜ばれる一品になります。
時間が経つと硬くなってしまう肉や魚は温め、
鴨ロースは小鍋に仕立て、
鯛袱紗焼きはかにあんをかけるとあつあつのご馳走に。おせちはご飯との相性もよく、ひと手間でちょっと贅沢な一品ができ上がります。
鯛袱紗焼きのかにあんかけ
鯛袱紗焼きは温め直すとふっくら。あんにはかに蕪巻きで残ったかにの脚の身を使います。
【材料・2人分】
鯛袱紗焼き8切れ、かにの棒身80グラム(
かに蕪巻きの残り)、A(だし200ml 薄口醬油15ml 酒10ml 塩少々)、軸三つ葉・水溶き葛・しょうが各適量
【作り方】
(1)鯛袱紗焼きは温めて切り分ける。軸三つ葉は刻んで水にさらす。
(2)鍋にAを入れて火にかけ、沸いたらかにの身を入れる。再び沸いたら水溶き葛を回し入れ、とろみがついたら火を止める。
(3)鯛袱紗焼きを器に盛り、(2)をかけて(1)の軸三つ葉をふり、おろししょうがをのせる。
海老松風玉子丼
三つ葉とともに溶いた卵でとじ、ご飯にのせて玉じめに。海老松風は薄く切るのがポイントです。
【材料・1人分】
海老松風4個、卵2個、A(だし200ml 醬油・酒・みりん各20ml)、三つ葉・ご飯・粉山椒各適量
【作り方】
(1)海老松風は3ミリ厚さに切る。三つ葉は1.5センチ長さに切る。
(2)鍋にAを入れて火にかけ、沸いたら海老松風を入れる。再び沸いたら割りほぐした卵を回し入れ、軽く混ぜて三つ葉を散らす。
(3)小丼にご飯を盛り、(2)をのせ、粉山椒をふる。
髙橋拓児さん(たかはし・たくじ)日本料理、仕出しに定評がある京都の料亭「木乃婦」の3代目主人。伝統的な京料理に科学的な調理技法を取り入れた料理を提案。日本の食文化を次代につなぐ活動にも尽力している。
京都市下京区岩戸山町416 TEL:075(352)0001
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