今季の4年生は、1学年上に近藤幸太郎選手(現SGホールディングス所属)や岸本大紀(ひろのり)選手(現GMOインターネットグループ)など、力のある選手が多かったこともあり、3年次までに大学三大駅伝を経験していたのは佐藤一世選手と山内健登選手、志貴勇斗主将の3人だけ。
前半シーズンは、頼りないと感じた下級生から突き上げられることもあったといいますが、志貴主将を中心に小原 響副将、鈴木竜太朗寮長、赤坂 匠主務(マネージャーのトップ)らが上手に役割分担をしながらチームをまとめていき、夏合宿が終わる頃には、原監督も「4年生がしっかりと引っ張ってくれている」とうなずきながら語っていました。
そんな4年生について、原監督の妻で寮母として選手たちと生活を共にしている美穂さんに尋ねると、「みんなガツガツしていなくて、ちょっと優しすぎるくらい優しい子たちが集まった代。ほんわかしたムードで、とても仲がいいんです。夏合宿前にはみんなでキャンプに行ったり。普通1人か2人は参加しなかったりしますけど、全員揃って行ってましたね」と嬉しそうに教えてくれました。
美穂さんはまた、結束力が強い理由の一つには、コロナ禍で入学したことも関係があるかもしれないといいます。「コロナ禍でも、うちはずっと寮生活を続けていたので、いろいろ批判されることもありました。そんななかで『自分たちで頑張っていこう』という意識が高まったのかなと思います。あと、寮からほとんど出られない期間にみんなでゲームをしていたことで、同期とも先輩とも関係がより密接になった気がします。みんなゲーム好きなので(笑)」。
『家庭画報』2024年2月号の集合写真撮影のため、4年生全員にグラウンドに集まってもらったときに感じたのも、ほんわかした仲のよさ。箱根駅伝のチームエントリー間近というタイミングでしたが、ピリピリした雰囲気は一切なし。小原副将は「僕ら、ちょっと幼いんで(笑)」といっていましたが、彼らの無邪気な明るいやり取りに、取材陣も釣られて笑顔になりました。
大会翌日のテレビの情報番組で、「チームの強さの秘訣は?」というアンケートに、12名中9名が「仲のよさ」と回答していた青山学院大学の選手たち。強さを形づくるものは、無論、選手それぞれの能力、コンディション、監督の戦略など、いろいろありますが、人間関係がいいことも大事な要因の一つなのだと改めて感じました。
『家庭画報』2024年2月号に掲載されている色紙に多田奏太選手が書いた「優勝してハワイへ」が現実となり、原監督から「優勝記念ハワイ卒業旅行」がプレゼントされる(4年ぶり4度目!)という幸せな4年生。南の島を経て、春には社会へ旅立つ4年生と、すでに第101回大会に向けて始動している新チームに心からのエールを送ります。
※主将、副主将、寮長、主務は第100回箱根駅伝当時のものです。12枚の未公開写真で取材の舞台裏を振り返り
貴重な「未公開写真」をフォトギャラリーで見る>>
「箱根駅伝」2024 フォト特集
vol.1 青山学院大学編vol.2 駒澤大学編
2023年の「箱根駅伝」フォト特集はこちらvol.1 駒澤大学編 vol.2 青山学院大学編vol.3 順天堂大学編2022年の「箱根駅伝」フォト特集はこちら
vol.1 青山学院大学編vol.2 順天堂大学編vol.3 駒澤大学編