連載「雨のことば」2月 雪解雨(ゆきげあめ)
文=矢部太郎(お笑いタレント・漫画家・気象予報士)降り積もった雪を解かすように降る雨のこと。雪消しの雨とも。解けた水分を得て植物が芽吹き出します。雪とついている言葉なのに春の雨のことであり、冷たく寂しい印象のある言葉が多い雨を表す言葉の中でも、どこかあたたかです。
空から音もなく降り、冬の間を覆い尽くす雪。雪解雨の雨音が、春の訪れがまもなくと告げるのでしょう。この雨を待ち望んでいた喜びや嬉しさがにじみ出てくるような言葉です。
雪解雨は立春の時期の季節の挨拶の言葉としても使われます。冬の間にちぢこまっていた体も心もじんわりと解かしてくれるようです。
拝啓 雪解雨の候、いかがお過ごしでしょうか。
この時季の雨のことば寒明の雨(かんあけのあめ)
雪消しの雨(ゆきけしのあめ)
雨一番(あめいちばん)
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