【もう迷わない! ジュエリー&ウォッチ選び】 第9回 「ブルガリ」ジュエリーや時計は「一生もの」。では私たちは、いつになったら「一生もの」と巡り合えるのでしょう? 40代以降は、自ら「一生もの」に出会う旅に出る時期だと、スタイリストのおおさわ千春さんは言います。この連載では、毎月、おおさわさんと、家庭画報.com編集長の鈴木が人気のジュエラーを訪ね、今の、そしてこれからの人生を共に歩むジュエリー&ウォッチを探します。
第9回はまさに美の館ともいえるブルガリ 銀座タワーを訪問。おおさわさんのブルガリ愛にもご注目を!
前回の記事を読む>> ローマへのオマージュに満ちたブルガリの最新コレクションを、スタイリストおおさわさんがコーディネート
新しい年の始まりは、美しいもので身も心も満たしたい――。おおさわさんと鈴木が訪れたのは銀座の象徴ともいえる「ブルガリ 銀座タワー」。宝飾品やレザーグッズ、そしてレストラン&バーも併設している美と美食を極めた空間で、2024年最初の一生もの探しがスタートしました。
イギリス貴族が見いだし、世界的なハイジュエリーブランドへと瞬く間に成長したブルガリ
ブルガリ 銀座タワー1階。高い天井、降り注ぐようなシャンデリアの輝き、美しいアートの数々に心躍ります。
おおさわ:とにかくブルガリ 銀座タワーは、空間が素晴らしいんですよね。ブティックというより美術館みたいで、商品の一つひとつがアート作品に見えてきます。
鈴木:さすがおおさわさん。あのアンディ・ウォーホルも、「ブルガリの店に行くのは、最高のコンテンポラリーアートの展覧会に行くようなものだ」と言ったそうですよ。
おおさわ:あら(笑)。でもそれくらい、美意識が刺激される場所ですよね。
鈴木:ご存じのとおり、ブルガリはローマで1884年に創業しました。そもそもはシルバースミス(銀細工職人)からスタートしたのですが、当時イギリスの貴族の子弟が、学業を終えたあとの卒業旅行としてヨーロッパを旅する、いわゆる「グランドツアー」が流行していて、その旅の最終目的地がローマだったんですね。 そこで彼らがブルガリに出会って、見たこともないクオリティの高さに夢中になったそうなんです。
おおさわ:なるほど。ローマにはすごい職人技があるぞ、ということが広まったのですね。
鈴木:その技術力を発展させて、ブルガリはハイジュエラーとしてどんどん成長したわけです。
エリザベス・テイラーとの蜜月。歴史に残るハイジュエリーが次々と誕生
おおさわ: 独特のボリューム感とスタイル、そしてやっぱりカラーストーンの使い方の美しさ。多くのハリウッド女優たちがこぞってブルガリを愛してきたのもうなずけます。
鈴木:ブルガリと女優、というと一番有名なのはエリザベス・テイラーでしょうか。
おおさわ: もう、大好きな女優さんです!
鈴木:エリザベス・テイラーは、映画『クレオパトラ』の撮影でローマに滞在中にブルガリに出会い、それこそ日を空けずブティックを訪れたそうです。しかもその撮影で、運命の人リチャード・バートンとも出会ったんです。
おおさわ:リチャード・バートンからのプレゼントがすごかったんですよね。
鈴木:ええ、最初が7.4ctの八角形のステップカットのエメラルドリング。大粒のダイヤモンドがそのまわりを取り囲んでいる素晴らしいブルガリのリングです。
八角形のステップカットが施されたコロンビア産エメラルド(7.4ct)と、12石のダイヤモンド(約5.3ct)があしらわれたリング。
鈴木:そして婚約の時には、23.44ctの、同じく八角形のステップカットが施されたエメラルドをダイヤモンドが取り巻くブローチと、そのブローチをペンダントトップにできるエメラルドとダイヤモンドのネックレス。ネックレスには合計60.5ctものエメラルドが使われていました。
婚約の時に贈られたプラチナ台に八角形のステップカットを施したエメラルド(23.44ct)とダイヤモンドをあしらったブローチ。そして同じくプラチナ台に八角形のステップカットを施したエメラルド(計約60.5ct)とダイヤモンドをふんだんにあしらったネックレスは、挙式の際のプレゼント。ブローチはネックレスに取り付ければペンダントとしても身につけられるようになっていました。
おおさわ:うーん。本当に2人の愛の深さと、ブルガリへの愛の深さに、唸るしかないですねぇ。
鈴木:ブルガリへの愛といえば、おおさわさんにも大きな出会いがあったんですよね?
おおさわ:そうなんです。今から25年ほど前でしょうか。仕事で行ったドバイで運命的な出会いがありまして……。
鈴木:まさかリチャード・バートンと?
おおさわ:いえいえ(笑)。宿泊していたホテルの中にブルガリのブティックがあったのですが、そこで時計と出会ってしまって。初日に一目ぼれして忘れられなくなり、それから毎日お店に足を運んで、じーっと時計を見つめていました。しまいには店員さんとも親しくなってしまって。
鈴木:もうそれは運命の出会いですよね。
おおさわ:あの当時の私には分不相応だったし、本当に清水の舞台から飛び降りるようなお買い物でした。でもどうしても欲しくて、えいやっ!と購入。それが今つけている「ブルガリ・ブルガリ トゥボガス モンテカルロ」という時計です。正直、そのときにはまったく身の丈に合っていなかったと思うのですが、ここ数年でしょうか、ようやく時計と自分の成熟度が一致して、最愛のパートナーになっています。
存在感を放つおおさわさんの一生ものの時計、ブルガリ「ブルガリ・ブルガリ トゥボガス モンテカルロ」(おおさわさん私物)。新作の「ブルガリ カボション」のネックレス、「ビー・ゼロワン」のリングをコーディネート。ネックレス(PG)59万4000円 リング(人さし指、PG×ダイヤモンド)71万5000円 (薬指、PG×ダイヤモンド)172万7000円/すべてブルガリ
鈴木:それはご自身が成長された、という感じでしょうか?
おおさわ:やはりジュエリーも時計も、身につける人の中身があってこそなんですよね。自分がこの時計に見合う人になりたいと身を寄せていった、引き上げていったからだと思います。
鈴木:でもそれも「えいやっ!」と、思いきって購入したからこそ、ですよね。
おおさわ:おっしゃるとおりです。あのときこの時計を手に入れていなかったら、今頃私はどんな時計をしていたのかなぁと思うことがありますね。
ころんとしたフォルム、地金ならではの輝きが美しい新作「ブルガリ カボション」
鈴木:さて、今日は特別にブルガリ 銀座タワー10階のブルガリ ギンザ・バーでジュエリーを拝見させていただくのですが、まずは昨年秋に新作が発表された「ブルガリ カボション」、おおさわさんがとても気になっているというコレクションを見ていきましょう。
おおさわ:はい、実物を見るのを楽しみにしていました。
今回は特別にブルガリ ギンザ・バーにてトーク。銀座の街並みを望む大きな窓、ブルガリの歴史を物語るアートに囲まれて、ジュエリー談議に花が咲きます。
鈴木:カボションカットというのは、丸いドーム状に宝石をカットしたものを差しますが、ブルガリのジュエリーではよく使われるとてもアイコニックなカットです。
おおさわ:そうですね。なにか理由があるのでしょうか?
鈴木:これは創業の地であるローマへのオマージュなんです。ローマの建築物の屋根に、杯をさかさまにしたようなドーム型の丸屋根が多く見られると思うのですが、そこからインスピレーションを受けているんですね。ブルガリにはほかにも、古代のローマンコインを使った「モネーテ」や、ローマ建築をイメージした「パレンテシ」など、ローマを想起させるコレクションが数多くあります。
大きなペリドットのカボションは、見ていると吸い込まれそうな美しさ。ハイジュエリーならではの品格漂う逸品です。チョーカー(PG×ペリドット×ダイヤモンド)1億508万3000円(予定価格)/ブルガリ
おおさわ:新作の「ブルガリ カボション」は、イエローゴールドとピンクゴールドの地金で表現したころんとしたボリューム感がなんともいえません。リングは特に、見る角度によって印象がずいぶん違うのも楽しいですね。
鈴木:おおさわさんの時計とも相性がいい。素敵ですね。
おおさわ:それぞれ迫力があるのにケンカしない。これって、ブルガリのデザインに共通している構築的な部分によるものなんじゃないかなと思っています。同じものを2つ重ねるのもおすすめですし、エタニティとの重ねづけも素敵ですよ。試してみてください。
右から、「ブルガリ カボション」リング(PG)39万4900円 ネックレス(PG)59万4000円 ネックレス(YG)59万4000円 リング(YG)39万4900円/すべてブルガリ
鈴木:ではエタニティ2本の間に「ブルガリ カボション」をしてみようかしら。
おおさわ:すごくいいと思います。エタニティって、もっといろんな使い方をしていいといつも思うんですね。「ブルガリ カボション」のような高さの違うものとのミックスもお洒落です。
鈴木:そしてこのエタニティのダイヤモンドの輝き! これもまたブルガリならではの品質の素晴らしさを感じますが、地金とダイヤモンドの輝きのミックス感が本当にラグジュアリーです。
「ブルガリ カボション」ネックレス(YG)59万4000円 リング(YG)39万4900円 エタニティリング(WG×ダイヤモンド)126万5000円~ 「マリー・ミー」マリッジリング(PG×ダイヤモンド)33万3300円/すべてブルガリ
こういう女性になりたいという想いをジュエリーに託すと、お洒落はもっと楽しくなる
おおさわ:同じくネックレスも、単体はもちろんですが、いろいろなネックレスとレイヤードすると楽しいですよ。「ブルガリ カボション」のネックレスは長さを2段階に調節できるので、コーディネートもしやすいはずです。細いチェーンや、あえて太いチョーカー、パールのネックレスとも相性がいいと思います。
鈴木: なるほど。ネックレスのレイヤードも試してみたいですね。ところでおおさわさん、ここに「ビー・ゼロワン」の新作もご用意しているのですが……お好きですよね?
おおさわ:はい、大好きなのですが、この新作もまた心惹かれますね(笑)。特にこの中央部分にダイヤモンドがちりばめられているタイプ。
記事冒頭で紹介したおおさわさんが身につけているコーディネートがこちら。「ブルガリ カボション」ネックレス(PG)59万4000円 「ビー・ゼロワン」上のリング(PG×ダイヤモンド)172万7000円 下のリング(PG×ダイヤモンド)71万5000円/すべてブルガリ (時計はおおさわさん私物)
鈴木:「ビー・ゼロワン」はとても構築的で強い女性像のあるジュエリーですよね。おおさわさんがお気に入りなのも、そういうところですか?
おおさわ:そうですね……。正直なところ、内面性と身につけるジュエリーは別なところもあると思っています。
鈴木:どういう意味ですか?
おおさわ:実はとってもナイーブなのに、強い自分をプレゼンテーションしたいからつけるジュエリーってあると思うんですよね。こんな自分になりたい、というイメージをジュエリーに託すというか。
鈴木:自分らしさを表現するのではなく、自分にない部分を補うようなイメージですか?
おおさわ:そうです。私の時計は凹凸感があるテクスチャーで構築的ですが、サイズは小さめでドレッシーな印象です。それに「ビー・ゼロワン」のアーティスティックで強いリングを合わせる甘辛バランスは、自分の目指したい女性像に近いわけです。
鈴木:面白い! そういう発想って今までありませんでした。
おおさわ:私の中で、その“自分流のバランス”を初めて作れたブランドがブルガリだったんですね。だから、私にとってブルガリは、やっぱりとても特別な存在なんです。
ダイヤモンドやハイジュエリーも充実。ブルガリ 銀座タワーへ出かけてみませんか
今回紹介したエタニティリングは3階のブライダルフロアに。ダイヤモンドが煌めく様々なデザインから、自分にフィットする運命の1本を見つけて。
エメラルドのカボションがセンターで輝く、ボリューム感のあるハイジュエリー。アートピースのようなハイジュエリーに出会えるのも、ブルガリならではの喜びです。リング(WG×エメラルド×ダイヤモンド)3503万5000円(予定価格)/ブルガリ
「“一生ものジュエリー”を探す旅へ~ブルガリ編~」動画公開中
ブルガリ 銀座タワー
東京都中央区銀座2-7-12
電話 03-6362-0111
営業時間 11時~20時
ブルガリ ギンザ・バー(10F) 電話 03-6362-0510
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