〔特集〕世界の社交場を訪ねて──華麗なるウィンターリゾート 冬のリゾートは、社交の舞台であり、家族団らんの場であり、そして一人静かにリフレッシュするリトリートの場でもあります。ウィンタースポーツだけでなく、絶景を眺めながらレストランで食事をしたり、スパで心身を休めたり……。子どもから大人まで、誰もが忘れられない体験ができる、銀世界のリゾートへとご案内します。
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星野リゾート代表 星野佳路さんインタビュー
「世界のウィンター・リゾートここがすごい!」
星野佳路(ほしの・よしはる) 「星野リゾート」代表
1960年長野県生まれ。1983年慶應義塾大学経済学部を卒業し、アメリカのコーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。1991年、現・星野リゾート社長に就任。トマムやアルツ磐梯などのスキーリゾート再建を果たす。
「リゾートとしてのプレスティージが高く、アプレスキー(スキーの後)まで楽しめるのはスイスとイタリアにまたがるマッターホルン山麓のツェルマット。名門ホテルもおいしいレストランも多数あります」と語る星野佳路さん。
海外のスキーリゾートで、自身が手がける北海道の「トマム」や福島県の「ネコマ マウンテン」運営のヒントを見つけることも。
「オーストリアのオーバーレッヒでは車が走る道路を廃止し、ゲストは数キロ先の駐車場から地下道を電気自動車で宿に向かいます。古きよきヨーロッパアルプスの原風景に戻していこうという地元の方々の思いに刺激を受けました」
ツェルマット(スイス)の斜面を、名峰マッターホルンを背景に滑走する星野さん。
ヘリコプターでしかアクセスできないカナダのチャッタークリークのような富裕層の上級者向けの場所がある一方、スキーをしない人でも楽しめるリゾートも。
「アメリカ・コロラド州のヴェイルでは、スキーをする人は滞在者の半分程度。おじいちゃん、おばあちゃんから子どもまで、街を散策し買い物をして夜には素敵なレストランで食事をするだけでも満喫できます。“ファミリーギャザリング(普段離れて暮らす家族が集まる)”もウィンター・リゾートの楽しみ方です」。
雪を求めて世界を移動する星野さんの次なる目的地は?
「アルゼンチンのパタゴニアです。スキーの再挑戦に。その先の南極大陸でもスキーができると聞いています。雪が降る2週間だけ滑走可能なハワイ島でも滑ってみたいし、アフリカのキリマンジャロも、訪れたい場所のリストに入れています」
ヘリコプターでのみアクセスできる
チャッタークリーク(カナダ)
写真/星野佳路
「チャッタークリークにはリフトがなく、CAT(雪上車)でロッキー山脈を登って滑走を楽しみます。訪れた誰もが翌年の予約を入れて帰るため、ゲストのほとんどがリピーター」。
地上に車道がないヨーロッパの原風景
オーバーレッヒ(オーストリア)
写真/星野佳路
「地上に近代的な建物がないオーバーレッヒでは、見渡すかぎりの雪原と古きよき村の姿があります」。
スイスを代表するスキーリゾート
ツェルマット(スイス)
写真/星野佳路
「マッターホルンの山頂にあるスイスとイタリアの国境の標識。要パスポートです。スイス側がツェルマットで、イタリア側のブレイユ=チェルヴィニアに行くとパスタのおいしい店があります。滑り降りた先で言葉もお国柄も異なる文化圏と出合えるのも、ヨーロッパの山岳リゾートならでは」。
写真/星野佳路
写真/星野佳路
アルパイン(山岳)レストランランキングのナンバー1にも選ばれた、ツェルマットのゲレンデ内レストラン「Zum See(ツムゼー)」は、星野さんもお気に入り。
ヨーロッパの“冬の社交場”
サンモリッツ(スイス)
写真/武田正彦
過去に2回の冬季オリンピック開催地となったサンモリッツもツェルマット同様、古くから王族やセレブリティが訪れるリゾート。
写真/武田正彦
スキーやスノーボードの合間に、絶景を望む山上のレストランやバーで昼間から食事やアルコールを楽しむのもヨーロピアンスキーの醍醐味。
特製ランチ付きCAT(雪上車)ツアーが楽しめる
星野リゾート トマム(北海道)
写真/星野佳路
トマム近郊の狩振岳ではスキー上級者向けの特別ツアーを開催。左は上村愛子さん、右が星野さん。
この冬、国内最大級のスキー場が誕生
星野リゾート ネコマ マウンテン(福島県)
写真/星野佳路
旧アルツ磐梯と旧猫魔スキー場が連結。スキー以外のアクティビティやアプレスキーのメニューも充実。
(次回へ続く。
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