服部道子プロに教わる 人生を豊かにするゴルフ ゴルフは老若男女、上級者や初心者にかかわらず、一緒にプレーを楽しめるスポーツです。自然と一体になりながら、脳と体を刺激する。人生100年時代、ゴルフを通じて健康に豊かに過ごすための秘訣を服部道子プロから教わります。
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苦悩を知るレジェンドの強く優しさに満ちた言葉
「突き詰めることで違う世界が見られる」。私が大事にしている指針を示してくださったのは、日本人で唯一、日米賞金女王に輝き、国内44勝、海外18勝という功績を残された岡本綾子さんです。
岡本綾子さんのスイングは、ゴルフ界の帝王ことジャック・ニクラウス氏も“世界一きれいなスイング”と称賛。写真/Keith Hailey/Popperfoto〈Getty Images〉
次回迎えるこの連載の最終回を前に、「世界のアヤコ」と称されるレジェンドについてお話しいたします。
84年、2位に11打の差をつけ日本人初の全英女子オープン優勝を果たした岡本さん。写真/Duncan Raban/Popperfoto〈Getty Images〉
初対面は、86年の全米女子オープンの会場での対談。岡本さんが選手生命をかけた腰の大手術をされた翌年でした。当時17歳の私は、怪我の経験もなかったのですが、「まだ若いからわからないかもしれないけど、怪我も実力のうちよ」と。たくさんお話ししましたが、岡本さんのその言葉と眼差しがずっと心に残り、アメリカの大学に入学してから、積極的に体のケアや栄養学などを学びました。そのおかげで、41歳までほぼ怪我なく現役を全うすることができました。
試合中に談笑する服部道子プロと岡本さん。岡本さんがアメリカから帰国し、4年ほどツアーをともにすることができた服部プロは「圧倒的なオーラと、技の巧みさに驚嘆した」と話す。写真/青木紘二〈アフロスポーツ〉
そんな私も、20代後半になると疲労の回復などが悪くなり、体の感覚と打ったショットが合わない時期にさしかかりました。岡本さんに「私も、もう30歳です」と不安を吐露すると、「何言ってるの、ゴルフエイジはこれからよ!」とひと言。腰の手術の2年後、36歳でアメリカ人以外で史上初となるLPGAツアーの賞金女王に輝き、40代で2度も日本女子オープンで優勝された岡本さんの言葉はとても重く、“やれない理由を探すのはたやすいこと”とはっとさせられました。
1987年、アメリカ女子ゴルフツアーの最終戦となるマツダジャパンクラシックで2位になり、アメリカ人以外で史上初のLPGAツアー賞金女王に輝いた岡本さん。競技後、アメリカ人選手が岡本さんを肩車して祝福した。写真/共同通信社〈アマナイメージズ〉
ゴルフは、体力と勢いがある若さも武器ですが、成熟した経験値と技が生きるスポーツ。それを証明し続ける岡本さんを追いかけ、私も賞金女王になることができたと思っています。
〔服部道子プロに教わりました〕
Q ゴルフの技術面以外でプロとして研鑽していることはありますか
A プロとしての立ち居振る舞い、心がけを大切にしていますプロになると2年間、1週間の新人教育合宿が行われ、自分が魅力的に見える色や服装、化粧、壁を作らない会話の仕方、食事のマナーに関しては葡萄の種の出し方まで細かく指導を受けます。
常に見られる意識を持ち、きちんとした振る舞いを修得するのもプロの務めです。
私は、ゴルフ関係以外の方と積極的にかかわりを持つようにしています。
先入観を持たずに相手と接し、話をよく聞きよい面に目を向ける。知らない世界を知ることで、視野や視点が広がります。そういう心がけは、プレーにも好影響をもたらすと思います。
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服部道子(はっとりみちこ)
11歳からゴルフを始め、1984年に日本女子アマ選手権を当時の史上最年少で初制覇。1985年、全米女子アマを当時の史上最年少かつ日本人として初優勝。アメリカ・テキサス大学に留学しNCAAリーグで10勝。1998年に年間5勝を挙げて賞金女王に輝く。現在はゴルフオリンピック日本代表女子コーチを務める。著書に『好転力』(世界文化社)。ゴルフトーナメントのテレビ解説やコラム執筆でも活躍。
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