ジュエリー見聞録 3月 宝石史研究家・山口 遼さんの解説で、素晴らしいジュエリーとその見どころをお届けします。
前回の記事を読む>> 連載一覧へ>>
揺れ動くダイヤモンドを効果的にあしらう
解説/山口 遼(宝石史研究家)
ジュエリーだけでなく、多くの工芸品には、大昔から使われていたデザインで独特の名前のついたものが多くあります。「ピアジェ」のコレクションからご紹介するネックレスとイヤリングは、ともにタイムレスに愛されてきたデザインを応用した傑作です。
ネックレスはサンバーストと呼ばれるもの。サンバーストとは、文字通り太陽の光線が八方に広がる様を描いています。イヤリングはカスケードと呼ばれるデザインで、流れ落ちる滝を表現したものです。こうしたデザインを取り入れる場合、最も難しいのは、普遍的なものの中にいかにして新しいユニークさを加えるかにあります。
とくにネックレスの場合、濃淡のあるイエローダイヤモンドをリズミカルに交ぜることで、今という新しさを見事に表現しています。外に向かって伸びていく線の先端に最も濃いダイヤモンドをセットし、少しずつ薄くなっていく色のダイヤモンドをランダムに飛ばしながら、中央のクッションカットのダイヤモンドに収斂していく。羽根を広げた鳥のようにも見える、何とも美しいデザインです。
イヤリングも、やはりクッションカットのイエローダイヤモンドから、マーキスカットとブリリアントカットのダイヤモンドを、自由自在に動く水のように長く吊り下げ、モダンな表現に成功しています。いずれも揺れ動くダイヤモンドの輝きを効果的に取り入れた点が素晴らしいですね。
計算し尽くされたイエローとホワイトの光輝ともにクッションカットのファンシーヴィヴィッドイエローダイヤモンドを主石に配したネックレスとイヤリング。すっきりとしたモダンなデザインが、装う人の美しさを引き出します。ネックレス(WG×イエローダイヤモンド・センター5.5ct×イエローダイヤモンド×ダイヤモンド)2億7280万円(参考価格) イヤリング(WG×イエローダイヤモンド計4.1ct×ダイヤモンド)7392万円(参考価格)/ともにピアジェ
(問)ピアジェ コンタクトセンター TEL:0120-73-1874