連載「My Delicious だしが決め手の料理」4月
新玉ねぎとあじの南蛮漬け
西田健二さん作の青白磁鉢に盛りつけて。酒肴にもおすすめの一品。
お花見や遠足などの行事が多くなる季節。「冷めてもおいしく華やかさもあるので、普段のおかずとしてだけでなくお弁当にも向いています」と後藤すみれさんが教えてくださったのは、みずみずしい旬の新玉ねぎを使ったあじの南蛮漬けです。
新鮮なあじが豊富にとれる静岡で育った後藤さんにとって、南蛮漬けはお母さまがよく作ってくれた懐かしい味のひとつ。南蛮酢には力強い煮干しだしを使うのがお決まりなのだそう。春に出回る新物すだちの清々しい香りもポイントです。
材料(2人分)
あじ 3尾
新玉ねぎ 1/2個
パプリカ赤・黄 各1/6個
小麦粉、揚げ油、塩 各適量
すだち 1個
南蛮酢・煮干しだし 1袋
・米酢 大さじ4
・薄口醬油 大さじ4
・みりん 大さじ1
・砂糖 大さじ4
・塩 ひとつまみ
・すだちの絞り汁 1個分
作り方
1.あじを3枚におろして骨を取り除く。皮を引いて一口大に切る。
2.バットに(1)を並べ、軽く塩をふっておく。
3.新玉ねぎは薄い半月切りにする。
4.パプリカはへたと種を取って1センチ幅に切る。
5.鍋に水200mlと南蛮酢の材料を入れて火にかける。沸いたら火を止め、 (3)(4)の野菜とともに保存容器に入れる。
6.あじから出てきた水分をキッチンペーパーで拭き、小麦粉をまぶす。180度に熱した揚げ油でカリッと揚げる。
7.軽く油をきった揚げたてあつあつのあじを(5)の南蛮酢に入れる。約1時間漬け込んで味を含ませる。
8.器に(7)のあじと野菜を盛りつけ、スライスしたすだちを添えてでき上がり。残りは冷蔵保存で2〜3日間ほど日持ちする。
使用したのは、福岡の料理屋「御料理 茅乃舎(かやのや)」発祥の茅乃舎のだし。2種の片口いわし煮干しとあご煮干しに、うるめいわし、真昆布、干ししいたけ、焼きあごを加えた「煮干しだし」が、味に深みをもたらす。8グラム×30袋入り 2268円/久原本家 TEL:0120-84-4000
後藤すみれ(ごとう・すみれ)さん
母である料理研究家・後藤加寿子さんと開いた「日日の料理 びおら」オーナー、フードプランナー。茶懐石の考え方に通ずる旬を大切にした慈しみ深い家庭料理を通して、和の食と心を伝えている。
日日の料理 びおら
東京都港区南麻布4-12-4 プラチナコート広尾1階
TEL:03(6277)3522