連載「郷土玩具の心意気」
4月 お宮さん〈島根県・松江〉
選・文=中村浩訳(日本郷土玩具の会会長)4月は進級・入学、入社など、新しい一歩を踏み出す月。
学問や書道にも秀でていた平安時代の貴族、菅原道真は、受験の神様と尊ばれています。この道真を祀る神社のことを「天満宮」といい、道真や天満宮のことを「天神さま」と呼びます。
島根県・松江地方では、我が子のために天神さまを祀る小さな天満宮を求め、さらに親しみを込めて「お宮さん」と名付けたのです。
明治時代、松江に英語教師として赴任した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)も愛したという「松江のお宮さん」が、何代かの作者を経て、再び蘇りました。
「お宮さん」の堂内天神として、島根県・出雲地方の泥天神「今市天神」に倣って彩色し作られている「練天神」を納めて、新しい門出をお祝いします。
「松江のお宮さん」(尾野真弓作)(約)高さ12×横11.5×奥行5.5センチ、中に入っている「練天神」(山野孝弘作)高さ約4センチ/袖師窯
島根県松江市袖師町3-21
TEL:0852(21)3974
営業時間:9時~18時 日曜不定休
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