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“みんな平等に”は疲弊のもと。「幸福度」を高めるための人間関係とは

2024.04.03

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少しの強いつながりとたくさんの弱いつながりを

「自利利他円満」のコツは何でしょう。

マドカさん ひと言でいうならメリハリ。自分が心からやりたいことやワクワクすることを最優先に時間やエネルギーを割いて、それ以外はときどきお休みする、役割を分担するなどして荷を減らすのです。といっても関係を断ち切るわけでも軽んじるわけでもありません。「次は2倍働くね」「私にできることがあればいつでも手伝うから」などと気持ちを添えて、細くても良好な関係でつながり続ける。和は日本人の美徳ですから、やはり大切にしたいです。

前野先生 人間関係は“みんな平等に仲よく”ではなくメリハリがあったほうが幸福度は高いのです。心理学用語でつながりを紐帯(ちゅうたい)といいますが、信頼できる友人や家族など少しの「強い紐帯」と、たくさんの多様な知り合いとの「弱い紐帯」のある状態ですね(下図)。交友関係で疲れてしまう人は、みんなとフラットにつきあおうとしているか、多くの「強い紐帯」を求めすぎているのかもしれません。

「強い紐帯(ちゅうたい)」と「弱い紐帯」の例

信頼できる友人や家族は「強い紐帯(つながり)」。趣味や地域のコミュニティは中間に近い「やや弱い紐帯」、SNS上の知り合いやたまにやりとりをする親戚は「より弱い紐帯」。強弱のある多様なつながりを持つ状態は幸福度が高いといえる。



ご自身への思いやりのために、お二人はどのようなことを実践されていますか。

マドカさん 寝る前に「今日もよく頑張った!」と声に出して自分を褒める、自分への感謝や労(いたわ)りの言葉を紙に書く。声や文字にすると耳や目からも入ってくるのでより効果的です。そしてパートナーや友達の素晴らしいところを言葉で伝えます。

前野先生 それはいい! 褒められると相手も褒めたくなるので、自利と利他の両方が高まります。僕はやりたいことの優先順位を明確にして、そこに全力集中します。多少割り切ってでもメリハリをつけるとそれが自分の強みになり自信がつき、周囲に振り回されない人づきあいのスタイルができ上がっていくと思うのです。

イラスト/浜野 史 取材・文/浅原須美

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