連載新章「タサン志麻の田舎暮らし」スタート！新居近くでお花見ピクニック

〔連載〕タサン志麻の田舎暮らし・春　大好評だった連載の休止から一年。お待たせしました。いよいよ再開です。舞台は志麻さん一家が購入した古民家がある静かな里山。リノベーション中のため近くの仮住まいに引っ越しして、家族５人の新しい暮らしが始まりました。季節ごとの豊かな自然や食材を、志麻さんの視点でお届けします。

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志麻さんがお引っ越ししました

自然豊かな地で新生活が始まりました

文・タサン志麻

住み慣れた東京を離れ、田舎暮らしが始まりました。きっかけは住んでいた家の取り壊しです。引っ越すなら自然豊かな場所へと決めていた私たちが縁あってたどり着いたのは、里山にひっそりとたたずむ古民家でした。

購入した古民家。右の建物は図書館にする予定。できるだけ自分たちで手を入れ、ゆっくりと再生。

草花が芽吹く美しい春、鳥のさえずりや風に揺れる木々の音に囲まれて始まった暮らしは、想像以上に素晴らしいものでした。スーパーへ買い物に行くのも、保育園への送り迎えも車で20～30分、今までと比べたら決して便利な暮らしではありませんが、採れたての野菜やフルーツを味わったり、土や虫や動物に触れたりできるのは、とても豊かなことだと満足しています。

季節の花があちらこちらに咲き乱れ、お花見の道中も心躍る。

引っ越しして間もないある日、まだ少し肌寒いなか近所のお気に入りスポットへお花見がてらピクニックに出かけました。少し山道を歩くので子どもたちもお腹を空かせます。忙しいとき、ランチは日本のお弁当ではなく、フランスのスタイルが気楽です。サーモンやピクルスはあらかじめマリネしておけば、バゲットやワインを持って出発するだけ！　元気な子どもたちは走って山道を登り、先に到着です。目の前には大きな桜の木が2本、ひっそりと咲き乱れていました。

好きなものを取り分け、ワインとともにゆったりと過ごす。

豊かな食材のなかでも、春に欠かせないいちごは摘みたてをたくさん楽しみます。いちごが大好きな娘は次から次へと口に入れて満面の笑みに。そのまま食べるのはもちろんですが、はちみつと濃厚なバルサミコ酢でマリネすると簡単なデザートになりますし、時間があればミニタルトのようなプティフール作りも心躍ります。近所の方からたくさんいただいたときは、子どもたちと一緒におやつやジャムを作っておすそ分けするなど、人との関わりもとてもありがたく、うれしく思います。

もうひとつ春の食材といえば、たけのこ。ご近所からもたくさんいただきます。ゆでていると保育園から帰ってきた子どもたちが「う～ん、いいにおい！」とうなるほど、家じゅうにたけのこの香りが広がります。今回はたけのこの掘り方を教わり、自分たちで収穫したのでおいしさもひとしおです。そんなたけのこで作ったのがステーキとサラダ。どちらもシンプルな調理法で、掘りたてを堪能しました。

これから四季を通じて、私たちの新しい生活のなかで輝く季節の美しい風景や、みずみずしい旬の食材で作った料理を皆さまにお届けします。どうぞご期待ください。

降りだしたあいにくの雨でも、カエル探しに大興奮の子どもたち。