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マティスも魅せられた南仏の風景。芸術家たちを魅了する“光”を切り取った作品(連載第6回)

2024.03.18

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「マティス 自由なフォルム」展がもっと楽しくなる短期集中連載。

5月27日まで国立新美術館で開催されている「マティス 自由なフォルム」展。マティスが後半生に取り組んだ「切り紙絵」の作品を中心に、これまでとは異なる視点で紹介される、とてもユニークで貴重な展覧会です。大きなサイズの作品や大掛かりな展示も圧巻。作品の見どころを、美術展プロデューサーの今津京子さんが解説します。連載一覧はこちら>>

第6回 《ザクロのある静物》「マティス 自由なフォルム」

文/今津京子(美術展プロデューサー)

南仏という地方には、まばゆい、キラキラした独特の光が降り注ぎます。ルノワール、ピカソ、シャガール、ボナール、デュフィ……。実に多くの画家が南仏に住居を定めました。マティスも例外ではありません。1917年の初めての滞在から亡くなる1954年まで、ニースで多くの重要な作品を作りました。

マティスが初めてニースを訪れた際に投宿したホテル「ボー・リヴァージュ」からの眺め。部屋の位置は異なりますが、滞在時にこのホテルの窓からの風景を描きました。撮影/小野裕次

アンリ・マティス《ザクロのある静物》1947年 油彩/カンヴァス 80.5×60cm ニース市マティス美術館蔵 ©Succession H. Matisse Photo: François Fernandez

この油彩作品は手前に黒で強調されたアトリエの「内」、そして明るい窓の「外」が対比されています。マティスは1950年、ニース市の観光協会のために外国からの観光客を誘致するポスターを作っていますが、そのためにこの作品を選び、「ニース、仕事と喜び」という言葉を自筆で添えました。コートダジュールが芸術家にとっての理想郷であると感じていることを示すものでしょう。


マティス 自由なフォルム
国立新美術館 企画展示室 2E(東京都港区六本木7-22-2)
会期:2024年2月14日(水)~5月27日(月)
開館時間:10時~18時 ※毎週金・土曜日は20時まで(入場は閉館の30分前まで)
休館日:毎週火曜日 ※4月30日は開館
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
観覧料:一般2200円ほか
展覧会ホームページ:https://matisse2024.jp
 
今津京子/Kyoko Imazu
撮影/小野裕次

撮影/小野裕次

美術展プロデューサー。パリをベースに、今回の「マティス 自由なフォルム」、「ルーヴル美術館展 愛を描く」(2023年)、「ガブリエル・シャネル展 Manifeste de Mode」(2022年)、「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」(2020年)など、40年にわたり数十を超える大型展覧会の企画に携わる。日仏英の3か国語を操り、美術、ファッションなどの分野でジャーナリストとしても活動。音楽、演劇、料理、アンティークなどアール・ド・ヴィーヴルをこよなく愛する。

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応募締め切り:2024年4月7日(日)23:59まで

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