30~50代の女性に多い「ストレス難聴」
睡眠不足、脱水、ストレスが大敵。忙しい生活を見直して再発を防ぐ
30~50歳代の女性に多いストレス難聴(急性低音障害型感音難聴)の原因は不明ですが、抗利尿ホルモンが上昇することで内耳を満たす内リンパ液の吸収が阻害され、内リンパの圧が上がります。それにより耳を塞がれたように感じたり、低音の聞こえが障害されてゴォーという耳鳴りが起こったりします。
ストレス難聴の主な自覚症状●ある日突然、聞こえが悪くなる
●耳閉感があり、自分の声が大きく響いて聞こえる
●ゴォーという耳鳴りがする
●電車の発車音など響いた音が変に聞こえる
●ふわふわとした感覚、あるいは軽いめまいを伴う
「抗利尿ホルモンを上昇させる3大要因は睡眠不足、脱水、ストレスです。ライフスタイル的にはパソコンの前で座って仕事をしている女性に多くみられます。体を動かさないだけでなく、こうした生活自体がストレスフルなのだと思います」。
ストレス難聴と症状が似ていて間違われやすい耳の病気には突発性難聴と耳管狭窄症があります(下のコラム参照)。
「突発性難聴には治療のゴールデンタイムがあり、遅くとも発症後1週間以内に副腎皮質ステロイドを投与しないと聴力が回復しません。そのうち聞こえるようになると高を括らず、すみやかに耳鼻咽喉科で鑑別診断を受けることが大切です」。
ストレス難聴と間違われやすい耳疾患●突発性難聴突然、片方の耳(ごくまれに両耳)の聞こえが悪くなる。原因不明だが、血流障害やウイルス感染による炎症の関係性が疑われている。難聴以外に耳鳴り、耳閉感、めまいを伴うことがある。40~60歳代に多くみられる。
●耳管狭窄症風邪や副鼻腔炎で鼻が詰まるなど何らかの原因で耳管が狭くなった状態。耳管が狭くなることで中耳の圧力が低下し、耳が詰まった感じになる。