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「ストレス難聴」?それとも「加齢性難聴」?“聞こえない”を放っておかない!

2024.04.11

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補聴器は健康寿命を延伸するアンチエイジングツール

加齢性難聴を改善するための唯一の対策は補聴器を装用することです。

「聞こえにくくなっているにもかかわらず、大半の人は補聴器を“老人の象徴”のように受け止めて装用するのを嫌がります。しかし、補聴器を早く使わないことによるデメリットについては知られていません」。

最大のデメリットは認知症のリスクが高まることです。2017年、国際アルツハイマー病学会において肥満や高血圧、糖尿病などとともに難聴は認知症の危険因子の一つに挙げられました。さらに2020年には、難聴は認知症の最大の危険因子であることも指摘されています。


「聞こえにくい状態の中、脳が音を聞き取るために過剰に働くことで負荷がかかり、神経細胞の脆弱化や脳の萎縮が進み、認知症の発症に影響することが近年の研究により明らかになっています」。

難聴でコミュニケーションがうまくとれなくなると、人との会話を避けて引きこもるようになり、社会的に孤立していくおそれがあります。このような状況も認知症の危険因子になると考えられています。さらに認知症だけでなく、うつや自殺の原因になることも指摘されています。

「加齢性難聴は徐々に進行するため自覚しにくいものですが、早めに気づき、補聴器を使って正常な聞こえの状態を取り戻すことが肝心です。補聴器はいつまでも若々しく健康的でいるためのアンチエイジングツールであると捉え直しましょう」

補聴器をつくるときは「補聴器相談医」の診察と診断を必ず受け、かつ補聴器相談医から紹介された補聴器専門販売店で補聴器の細かい調整をしてもらいます。「どんなに高性能の補聴器を装用してもすぐによく聞こえるようになるわけではありません。

なぜならよく聞こえない状態が長く、聞き取ることをさぼっていた脳が聞きたい音だけを聞けるようになるには訓練が必要だからです。その期間は3か月ですが、加齢性難聴を放置した期間が長い人ほど補聴器に慣れるのに時間がかかります。

こんな苦労をしないためにも補聴器が必要になったら、すみやかに使い始めることをおすすめします」。

補聴器をつくるときは「補聴器相談医」を必ず受診

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、難聴の患者が適切な補聴器を利用できるように「補聴器相談医」を委嘱し、そのリストを公開しています。
日本耳鼻咽喉科 頭頸部外科学会「補聴器相談医名簿」

・この特集の記事一覧はこちら>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年04月号

家庭画報 2024年04月号

イラスト/にれいさちこ 取材・文/渡辺千鶴

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