桜と和歌のふるさと、味真野
今年の大河ドラマで注目を集める紫式部は、少女時代を現在の越前市で過ごしました。
その越前市の東に位置する味真野は、継体天皇ゆかりの地として伝承が残り、奈良時代、この地に流された中臣宅守(なかとみのやかもり)と女官狭野弟上娘子(さののおとがみのおとめ)との間に情熱的な歌が交わされたことでも知られ、万葉集に63首収められています。
そのため味真野には、『万葉集』をテーマにした施設が多くあるほか、春になれば多彩な桜風景が楽しめます。
敷地面積4.7ヘクタールの苑内には、美しい日本庭園が広がり、散策しながら歌の世界に浸ることができる。新鮮な魚介料理を楽しめる食事処「万葉庵」もある。
拠点となるのは、「万葉の里味真野苑」。小高い“比翼の丘”には向かい合って相聞歌碑が立ち、山あいを歩けば、ミズバショウの群生と出合うなど、桜のみならず四季折々の花や『万葉集』に詠まれた植物を観賞できます。
味真野公民館そばの文室川の桜。約30年前に植樹され、堤防で芽吹く草木の緑とのコントラストも美しい。遊歩道も整備されている。
さらに味真野小学校や文室川の桜を巡り「毫攝寺(ごうじょうじ)」へ。境内には、御影堂、阿弥陀堂、鐘楼など多くの建造物が建ち並んでいますが、太鼓堂は桜の時期限定で公開。
越前四か本山の一つ。けやき造りの赤瓦山門がどっしりと構え、境内は、荘厳な雰囲気が漂う。写真は木造3階建ての太鼓堂から見渡した景色。
狭い階段を上った先に広がる桜景色は、そよ風とともに花びらが舞い散る、息をのむ美しさです。
万葉の里味真野苑福井県越前市余川町55-1
TEL:0778(27)7800
真宗出雲路派 本山 毫攝寺福井県越前市清水頭町2-9
TEL:0778(27)1002
(次回へ続く。
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