〔特集〕近くて最旬のアジア(3)ルボンボン優子さんと訪ねるタイ“シノワズリ”の世界 東南アジアの中心に位置し、古くからさまざまな国の影響を受け文化を育んできたタイ。この国に息づく“シノワズリ”な世界を、2023年春、タイに移住したルボンボン優子さんに案内していただきました。インテリアの参考になるスポットから、お気に入りのレストランやホテル、そして素敵なご自宅まで。優雅なタイの魅力をご紹介します。
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タイの暮らしに息づく工芸を訪ねて
古いビンロウ入れがモチーフの優美な曲線のフォルムが印象的な蓋付きかごは、優子さんが特注して作ったオリジナル。全体に「ピクン」文様が配されている。
女王の庇護を受けた緻密な編みが特徴の竹細工「トラディショナル バンブー ハンディクラフト センター」
「ひごの細さは、1ミリに満たないほど。ため息が出るような美しく繊細な編みに、タイの手工芸の奥深さを感じます」。
優子さんを魅了した竹細工の工房があるのは、首都バンコクから100キロほど東にあるチョンブリー県パナットニコム郡。
この地域は19世紀始めにラオスから竹細工の技術が伝わり、かつては良質な竹材が採れたことから、昔から魚び籠くやざるといった竹細工の産地でした。そうした背景から、1978年にシリキット王太后主宰の「技術と雇用促進基金」のサポートを受けて開設されたのが、この施設です。
職人たちが和やかに作業を進める様子が間近で見学できる。
当時プロジェクトを任されたのが、郡長夫人だったプラニー・ボリブンさん。自宅に職人たちを集めて技術向上に真摯に取り組み、竹細工を生活雑器からアートピースへと引き上げました。
ショップに並ぶ作品。左のかご、腕輪は各800バーツ。右は「ピクン」のボックス各2000バーツ。
現在は40〜50種類ほどの編み方があるそうですが、白眉はパーティバッグなどに使われている「ピクン」と名付けられた精巧な小花文様。白竹や、さまざまな色に染めた極細のひごを用いて編み上げる凜とした佇まいで、タイ王室の女性たちにも愛用されています。
技術保存のための資料として収集した竹細工が並ぶ展示室。現在はプラニーさんの息子のコングリットさんがセンターを受け継ぎ、伝統の竹細工の魅力を世界へと発信している。
トラディショナル バンブー ハンディクラフト センター36 Intha Asa Road, Phanat Nikhom, Chonburi
TEL:+66-(0)8-1899-4471
営業時間:8時〜17時
定休日:日曜
ルボンボン優子さんヨーロッパやアジアから輸入するインテリアアイテムやテーブルウェアを扱うセレクトブランド「ルボンボン」オーナー。ホームデコレーションや食卓など日々の暮らしを発信するインスタグラム(
@lebonbonyuko)や「美味しい!家庭画報」(
@bimi_kateigaho)の連載が人気を集めている。
【Special Information】ルボンボン優子さんと一緒にお買い物バンコク、シノワズリの世界を巡る旅へ ショップや工房に同行し、お買い物のアドバイスをしてくださるルボンボン優子さん。
この特集で紹介した美術館やショップ、バンコク郊外にある工房をルボンボン優子さんとともに巡り、お買い物やオーダーメイドを楽しむツアーを企画しました。滞在はチャオプラヤ川を目の前に立つ最新のラグジュアリーホテル「カペラ バンコク」。“シノワズリ”の世界に浸る特別な旅に、きっとなるはずです。詳細は発売中の家庭画報4月号、またはプレミアム旅行社までお問い合わせ下さい。
(問)プレミアム旅行社
TEL:03‐3262‐6480
受付時間:10時30分〜17時30分(休業日:土曜・日曜・祝日)
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https://pre-t.co.jp/
(次回に続く。
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