〔特集〕近くて最旬のアジア(3)ルボンボン優子さんと訪ねるタイ“シノワズリ”の世界 東南アジアの中心に位置し、古くからさまざまな国の影響を受け文化を育んできたタイ。この国に息づく“シノワズリ”な世界を、2023年春、タイに移住したルボンボン優子さんに案内していただきました。インテリアの参考になるスポットから、お気に入りのレストランやホテル、そして素敵なご自宅まで。優雅なタイの魅力をご紹介します。
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ルボンボン優子さんのシノワズリなご自宅へ
「好きなものに囲まれたタイの我が家へようこそ」── ルボンボン優子
日本への郷愁を誘うアーティフィシャルの桜枝が空間のアクセントになっているリビングルーム。腰掛けているオットマンは、優子さんが椅子にもテーブルにも使えるよう考えて誂えた。「ジム トンプソン」の布が張られている。
ルボンボン優子さんヨーロッパやアジアから輸入するインテリアアイテムやテーブルウェアを扱うセレクトブランド「ルボンボン」オーナー。ホームデコレーションや食卓など日々の暮らしを発信するインスタグラム(
@lebonbonyuko)や「美味しい!家庭画報」(
@bimi_kateigaho)の連載が人気を集めている。
ブルー&ホワイトでまとめたシノワズリなダイニング
タイで優子さんご夫妻が暮らしているのは、ランナー様式というタイ北部の建築スタイルが取り入れられたバンコク近郊の一軒家。広い庭に面した窓から光が注ぐリビングには、中東やベルギーの絨毯が敷かれ、英国やスウェーデンのアンティーク家具とともにタイで見つけた工芸品などが置かれています。
タイの工芸品を主役にしたティータイム。竹細工のかごを茶箱にして、タイのお菓子をアルミの焼菓子型に入れて供する遊び心ある趣向。
リビングの洒落たバーカウンターは香港アンティーク。タイのラムやジンをゲストに楽しんでいただきながら夜を過ごす。
誌面に何度も登場した愛犬フレディの遺影。ジャスミンが香るタイの花輪をいつも供えている。
「国やスタイルは異なってもすべて私が“好きなもの”。それぞれのものに大切な思い出があります」と話す優子さん。さまざまな国の美が互いに呼応し合い調和するインテリアは、まさに東洋と西洋の出会い。長い海外生活を経験し、多くの国を旅してきたご夫妻の人生そのものが映し出されているかのようです。
ブルーグレーの壁面に、大きな鏡がかかるダイニングルーム。DIYで黒く塗ったラタンの椅子がシックなシノワズリの趣で、約70年前に旧貴族のヴィラで使われていたフランス製のシャンデリアが空間全体に格調を添える。
祖母から受け継いだ古伊万里のお重、英国の食器、タイで見つけた蓮花形の焼物、チャージャーとして使ったのは有田焼のオリジナルの角皿。漆器のように映り込む黒いガラス天板のテーブルに多国籍な顔ぶれのブルー&ホワイトを合わせたランチのセッティング。
ダイニングルームもシノワズリな趣。脚の曲線がクラシカルなガラステーブルをラタンの椅子が囲み、シャンデリアが頭上を飾ります。
器は、中国の景色が表現されたウィローパターンなどのブルー&ホワイトでコーディネート。カルチャーミックスを楽しみます。
晴れた日はプールサイドでアジアンなアフタヌーンティーを
ヤシの葉が風に揺れ、リラワディーの木々が優しい香りの花を咲かせるガーデン。プールサイドでのティータイムも、優子さんらしいしつらいに。
涼やかに水を湛えたプールが、リゾート感を演出している自宅のガーデン。
傘はタイの古都チェンマイの伝統工芸品。英国製のピクニック用絨毯の上には、ひじ掛け部分が美しい曲線を描くタイの昔ながらのデザインのチーク製ガーデンチェアが置かれています。
近所の市場で見つけた素朴な手付きバスケットに、食器やお菓子、ナプキンなどの一式を入れてプールサイドへ。プレートやカトラリーは英国アンティーク。スウェーデン製ヴィンテージの銀器には、タイの特産品であるランの花をたっぷり贅沢に生けた。
そしてクッションやクロス、花などで黄色やオレンジの明るい色味をプラス。
「太陽の光の感じが日本とは異なるからでしょうか。自然と鮮やかな色を使いたくなります。インテリアもそうですが、この地だからこそ映える色彩を楽しみたいです」。優子さんは微笑みます。
ガーデンの奥に置かれている高床式タイ建築の小さな家は、サーンプラプームと呼ばれる土地の神様を祀る祠。
休日は夫妻でアンティークやインテリアのショップに足を運ぶことも多いそう。
「ノスタルジックな古きよき時代の雰囲気に惹かれます。タイの美しいものを見たり触れたりするたびに、どんどん新しいアイディアが湧いてくる。ここに暮らして私のインテリアの世界が広がったと感じています」。
【Special Information】ルボンボン優子さんと一緒にお買い物バンコク、シノワズリの世界を巡る旅へ ショップや工房に同行し、お買い物のアドバイスをしてくださるルボンボン優子さん。
この特集で紹介した美術館やショップ、バンコク郊外にある工房をルボンボン優子さんとともに巡り、お買い物やオーダーメイドを楽しむツアーを企画しました。滞在はチャオプラヤ川を目の前に立つ最新のラグジュアリーホテル「カペラ バンコク」。“シノワズリ”の世界に浸る特別な旅に、きっとなるはずです。詳細は発売中の家庭画報4月号、またはプレミアム旅行社までお問い合わせ下さい。(問)プレミアム旅行社TEL:03‐3262‐6480受付時間:10時30分〜17時30分(休業日:土曜・日曜・祝日)URL:https://pre-t.co.jp/
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