「死を考えることは、生きることを考えること」── 堤さん
そんな堤さんも、2024年7月に還暦を迎えるにあたっては、思うところがあるといいます。
「僕の父親が死んだのは60歳の時なんです。僕は今のところ健康だし、まだ小学生の子どもたちが成人するまでは元気でいなきゃと思っているので、あまり重ねて考えないようにしていますが、死というものが段々身近になってきた感覚はやっぱりあります。話好きのお袋が、93歳になってあまり話さなくなってきたこともあるかもしれません」。
以前よりも死を身近に感じるようになったことで「自分が本当に好きなこと、やりたいことを、己に真剣に問うていこう」と思うようになったそうです。
「これは『カラカラ天気と五人の紳士』の脚本を読んだときにも思ったことなんですが、死を考えることは、生きることを考えること。還暦という体と心の変わり目を機に、今までできたことができなくなっていったりするでしょうが、それに伴って精神も変わっていくような気がしています。そういった変化も楽しみながら、自分に向き合っていきたいです」
堤 真一(つつみ・しんいち)1964年、兵庫県生まれ。1987年にNHK『橋の上においでよ』でドラマ初主演。舞台、ドラマ、映画、CM、ナレーションなどで幅広く活躍し、舞台『キル』、ドラマ『とんび』、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』『容疑者Xの献身』『孤高のメス』といったさまざまな作品で多数の賞を受賞。映画『室町無頼』が2025年1月に公開予定。
シス・カンパニー公演『カラカラ天気と五人の紳士』
ある日あるところに、棺桶を担いでやってきた5人の紳士。棺桶は5人のうちの一人が懸賞のハズレくじでもらった景品らしく、せっかくなので誰かが死んで役立てようと議論が始まる。そこへショッピングバッグを抱えた女性二人組が現れ……。若手最注目のクリエイターと7人の舞台巧者が繰り広げる別役 実の不条理劇に乞うご期待。
シアタートラム(東京)〜2024年4月26日(金)
指定席1万円ほか
シス・カンパニー:03(5423)5906
URL:
https://www.siscompany.com/produce/lineup/karakara/※岡山、大阪、福岡公演あり(~5月16日〈木〉)
作/別役 実
演出/加藤拓也
出演/堤 真一、溝端淳平、野間口 徹、小手伸也、高田聖子、中谷さとみ、藤井 隆
ヴィオラ演奏/徳高真奈美