〔特集〕20世紀&21世紀にグルマンを魅了 世界のスーパーシェフ列伝 美食は時代を映す鏡──。フランス料理を起点に、卓越した才能で各時代を牽引したスーパーシェフたちの功績と美食界の進化を辿る旅へとご案内します。
前回の記事はこちら>>・特集「世界のスーパーシェフ列伝」の記事一覧はこちらから>>
ピエール・ガニェール(1950~)
写真/Stéphane de Bourgies
料理界随一の芸術家「厨房のピカソ」
フランス各地で修業し、フランス中央部の都市サン=テティエンヌにある両親の店に。以降、1980年代を通して独自の道を邁進し、素材や風味の意外な組み合わせ、食感の斬新なコントラスト、現代アートを思わせる大胆な色彩感覚を特徴とする料理を創造。議論を生みつつも、高い評価と人気を得た。93年に地元で3つ星を獲得してからパリへ。90年代末からは科学者エルヴェ・ティス氏と組み、料理で分子化学的アプローチを試みる。芸術家肌のシェフの代表格。
【主な弟子】
オリヴィエ・シェニョン(銀座「ロオジエ」)、田中 淳(パリ「レストランA.T.」)
【師匠の横顔】赤坂洋介さんANAインターコンチネンタルホテル 東京「ピエール・ガニェール」 エグゼクティブシェフ料理に加え、人として大切なことを教えてくれる師匠です。普段から私たちの家族のことまで気遣ってくれ、生活があってこその仕事、料理だとそれとなく教えてくれます。一方、スタッフの身だしなみに非常に厳しいなんて一面も。ワイルドに見えますが、実はとても繊細できめ細やかなのです。
〔1990年代日本では?〕
独自性を追求するシェフが多く登場。輸入食材が質、量ともに充実し、本場の味に近い料理が可能に。その一方で、日本の野菜や魚介にフォーカスした「日本独自のフランス料理」も花開く。
(次回に続く。
この特集の記事一覧はこちらから>>)