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人には困難からの回復力がある。前以上に幸せになる「レジリエンス・マッスル」を鍛える方法

2024.05.08

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更年期世代のお悩み解決 心が楽になる“幸せ習慣” 第5回 被災地や戦地の報道が続き、復興や解決の兆しの見えない現状に多くの人が心を痛めています。「困難に伴うストレスや不安に対処するためのキーワードは、レジリエンス(回復力)」── 。こう話す幸福学の研究者・前野隆司先生とマドカさんご夫妻に、今からできる心の備えを伺います。前回の記事はこちら>>

倒れても折れず、しなやかに立ち直る力、レジリエンスを高めておきましょう

「大変なことが起きるのではないか、と不安でしかたがない」

前野隆司先生
前野隆司先生

まえの・たかし 日本の幸福学研究の先駆者。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。幸福学を世の中に役立つように応用し社会全体の幸せを目指す。

前野マドカさん
前野マドカさん

まえの・まどか 夫の隆司氏とともに幸福学を研究。幸せな社会を目指す会社「EVOL」を経営。幸せを広めるワークショップ、コンサルティング、研修活動、講演等を行う。

心が楽になる“幸せ習慣

人には困難からの回復力がある。前以上に幸せになる力がある

被災された多くの方々が、今も大変な状況で暮らしています。そんな中、少しずつ前を向いて歩き始めた人々がいます。

マドカさん 本当に、現地の方々の心情は想像するに余りあります。……今私は、交通事故で大学生のお嬢さんを亡くされたあるお母さんのことを思い出しています。しばらくは憔悴しきって何も手につきませんでしたが、少しずつ仕事を再開し、1年でどうにか日常生活を取り戻すまでに立ち直ることができました。その間、お嬢さんの友人が生前の様子をたくさん話してくれて、「娘は人生を生き切ったと確信した。この経験を無駄にしてはいけないと思った」と。今では、時間を見つけて同様の経験をした親たちの話に耳を傾け、若者に今を精一杯生きることの大切さを伝えています。


前野先生 災害や事故などつらい出来事に遭遇すると幸福度は下がりますが、半年から3年で元に戻るといわれています。誰にでも、困難によるストレスを受けたときに立ち直ろうとする力──レジリエンスが備わっているのですね。私のイメージは“強風を受けて地面にくっつきそうなくらい倒れても折れず、しなやかに元に戻るヤシの木”。落ち込んだ気持ちを前向きに回復させる力といってもよいでしょう。さらに困難を乗り越えた人は以前より幸福度が上がるという研究があり、これを心的外傷後成長(PTG)といいます。(下のグラフ)。まさにこの方はつらい出来事の後で成長されたのではないでしょうか。心が楽になる“幸せ習慣

困難・試練からの回復と成長
困難に遭遇したときレジリエンスによって乗り越えれば、困難を経験する前より幸福度が高まる。これを心的外傷後成長(PTG)という。困難に伴うストレスが大きすぎて立ち直れないと、心的外傷後ストレス障害(PTSD)につながり、つらい体験が突然よみがえるなど精神的に不安定になり日常生活に支障をきたす恐れがある。

マドカさん 本当にそうだと思います。ただ実際は彼女のように強い人ばかりではなく、困難に伴うストレスが大きすぎて簡単には立ち直れない場合も少なくないし、心的外傷後ストレス障害(PTSD)につながることもあります(同グラフ)。人間の力では防ぎようのない災難も多いのが現実だけれど、普段からレジリエンスを高めておくことは大事だと思いますね。

イラスト/浜野 史 取材・文/浅原須美

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