〔特集〕20世紀&21世紀にグルマンを魅了 世界のスーパーシェフ列伝 美食は時代を映す鏡──。フランス料理を起点に、卓越した才能で各時代を牽引したスーパーシェフたちの功績と美食界の進化を辿る旅へとご案内します。
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アラン・パッサール(1956~)
写真/Virginie Klecka
素材と向き合う澄んだ目、深い技術
ブルターニュ出身。1986年パリに「アルページュ」を開業、1996年に3つ星。料理は、素材を徹底的に観察し、寄り添うことで生まれるシンプルかつ大胆な表現が特徴。基本的な機器を用い、感覚を研ぎ澄ませて行う卓越した火入れで知られる。1990年代は塊肉をジューシーに焼き上げることで「肉の魔術師」と呼ばれた。しかし2001年に突如肉の扱いをやめ(現在は復活)、野菜料理に邁進。ピュアな精神で素材の本質を追求する姿勢が、業界内外の尊敬を集め続けている。
『家庭画報』1998年1月号「魅力のレストラン二都物語」特集ではパリにてデュカス、ガニェール、パッサールの各氏を現地取材。
【主な弟子】
パスカル・バルボ(パリ「アストランス」)、シリル・リニャック(パリ「ル・キャンジエム」)
【師匠の横顔】狐野扶実子さん料理プロデューサー彼からは、ものの見方全般で影響を受けています。感覚を研ぎ澄ませることの大切さや、自然の創る美に私たちが加えられるものは限られるという気づきを得ました。彼の新しい創作が、スカイダイビング後に多く披露されたことも印象的です。インスピレーションを得る場だったと想像します。
(次回に続く。
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