映画『愛情物語』で大ヒット！ ショパン『ノクターン第2番』をアレンジしたピアノ曲

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」　難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら＞＞

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第249回　ショパン『ノクターン第2番』

イラスト／なめきみほ

映画『愛情物語』から生まれた大ヒット曲

今日5月6日は、アメリカのピアニスト、カーメン・キャバレロ（1913～89）の誕生日です。

クラシックの名曲を、ポピュラー音楽のテイストを加えて演奏するスタイルで一時代を築いたキャバレロの名を有名にしたのが、1956年公開の映画『愛情物語』でした。作中に登場する、ショパンの『ノクターン（夜想曲）第2番』のアレンジ曲『トゥー・ラヴ・アゲイン』が大ヒットを記録。キャバレロは一躍世界的な人気ピアニストとなり、世界各地を巡ることとなったのです。

筆者も高校生の頃、故郷横須賀でキャバレロの演奏を体験。これが生涯初の外来アーティスト公演だったことは、忘れられない思い出です。夜の情緒を表すピアノのための叙情的な楽曲である「ノクターン」は、近年では、2002年公開の映画『戦場のピアニスト』において『第20番嬰ハ短調“遺作”』がシンボル的に使われています。


ムーディな「ノクターン」は、映像との相性が抜群なのでしょうね。ちなみに音楽用語で「遺作」とは、作曲者の死後に発表された作品を示します。

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田中 泰／Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。