〔特集〕20世紀&21世紀にグルマンを魅了 世界のスーパーシェフ列伝 美食は時代を映す鏡──。フランス料理を起点に、卓越した才能で各時代を牽引したスーパーシェフたちの功績と美食界の進化を辿る旅へとご案内します。
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マッシモ・ボットゥーラ(1962~)
写真/ CALLO ALBANESE &SUEO
イタリア伝統料理を革新し社会問題とも向き合う
モダンアートや音楽からインスピレーションを得て伝統料理に革新をもたらし、自身の店「オステリア・フランチェスカーナ」を世界の数多のレストランガイドやアワードのトップに導いた。一方で食を通じた社会貢献にも積極的。賞味期限が迫った廃棄直前の食材を使って路上生活者に食事を提供し、温かな時間を感じてもらうチャリティレストラン「レフェットリオ」など、複数の社会問題を生み合わせて解決に導くアプローチでの活動も注目されている。
盛りつけの際に割ってしまったレモンタルトを、逆転の発想で落とした瞬間を模したドルチェに。代表作「おっと!レモンタルトを落としちゃった」は料理名もユニーク。
【主な弟子】
紺藤敬彦(イタリア「グッチ・オステリア」)、徳吉洋二(イタリア「トクヨシ」)、ジェシカ・ロスバル(イタリア「アル・ガット・ヴェルデ」)
【師匠の横顔】アントニオ・イアコヴィエッロさん銀座「グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ」ヘッドシェフ温かい人柄で、スタッフに細かく目配りし、家族同様に気にかけてくれます。食は、おなかを満たすのではなく、心を満たす文化と考え、皆で食べるまかないの時間を大切にしています。デザートの後にパスタを出すなど、常識にとらわれない発想に刺激を受けます。
(次回に続く。
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