〔特集〕20世紀&21世紀にグルマンを魅了 世界のスーパーシェフ列伝 美食は時代を映す鏡──。フランス料理を起点に、卓越した才能で各時代を牽引したスーパーシェフたちの功績と美食界の進化を辿る旅へとご案内します。
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ヴィルヒリオ・マルティネス(1977~)
生物多様性を守り文化の価値を向上
2009年リマに「セントラル」をオープン。4つの気候帯に属するペルーの生物多様性に注目、アマゾンやアンデスなどを旅して食材を探し、それぞれの標高でとれるものを組み合わせて、景色をも表現した料理を生み出した。
収穫に感謝を捧げるため、土で作った窯でじゃがいもを焼き上げる儀式「ワティア」より。チャコと呼ばれる食用の土を使って再現した料理。
さらに、2017年にはトマトやじゃがいもなど、多くの野菜の原種が生まれたアンデスの山の奥地で、先住民の人々の暮らしの知恵も含めて表現する「ミル」を開業。シードバンクや研究所も併設しペルーの食文化を後世に伝えてゆく役割も担う。
【主な弟子】
ピア・レオン(ペルー「コイエ」)、ホアン・ルイス(ペルー「メリト」)
【師匠の横顔】サンティアゴ・フェルナンデスさん紀尾井町「MAZ」ヘッドシェフシェフとして、アーティストとして、革新者として尊敬しています。自然と文化に対する繊細な感覚と感謝の念、使命感を持って献身的に働く方です。土着の文化を深く理解して料理作りに反映させ、地域の伝統文化の価値を高め、人々の暮らしを支えています。
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