〔特集〕私の最高レストラン 人生の節目で食した忘れられないあの味、大切な人と過ごしたあの名店でのひととき。今回、さまざまな分野で活躍される方々に「あなたの“最高”のレストランは?」という質問をしました。それぞれの「食」にまつわる思い出を辿っていくうちに見えてきたのは、かけがえのない「人生の物語」でした。
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世界のスターシェフに聞きました
“日本のごひいき”美味アドレス
「おいしいもの」を求めて世界を旅するスターシェフたちが口を揃えて賞賛するのが、日本のレストランのレベルの高さ。おなじみの著名シェフたちに、「これぞ!」という名店を、思い出の味とともに教えていただきました。
ヤニック・アレノさん
1968年パリ・ピュトー生まれ。2003〜2013年「ル・ムーリス」でシェフを務めた後、14年にパヴィヨン・ルドワイヤン内に「アレノ・パリ」を開き、翌年ミシュラン3つ星を獲得。1つ星の「パヴィヨン」、2つ星のすし店「ラビス」を持つほか、フランス東部で「ル 1947」のシェフも務め、2017年に3つ星。モナコ、ドバイ、韓国でも店を開いている。 写真/Simon Detraz
私とすしとの出会いは、初めて日本を訪れた20歳頃。料理ジャーナリストの故・増井和子さんのご紹介により、「鮨水谷」で研修を受けたこともあります。すし好きが高じて、パリにすし店「ラビス」を開いたほど。
ヤニック・アレノさん推薦
【鮨 きどぐち】
「江戸前寿しの名店。昔からお邪魔しています。」ランチ3300円、5500円 ディナー2万5000円~。撮影/本誌・坂本正行
「おすしのおいしさはもちろん、木戸口さん(写真右から2人目)の笑顔も楽しみの一つ」。
「鮨 きどぐち」は、素晴らしいすしを、大将の木戸口 眞さんが笑顔でサービスしてくれるのも好きですね。値段もお手頃で驚きです。
ヤニック・アレノさん推薦
【九州じゃんがら】
九州じゃんがら 全部入り。「豚骨スープと細麺のコンビネーションが絶妙。名人・野田利政さん直伝の角肉もおいしいです」。撮影/本誌・坂本正行
フランスではラーメンも流行。「九州じゃんがら」のとんこつラーメンもお気に入りです。
鮨 きどぐち住所:東京都港区南青山5-6-3 メーゾンブランシュⅡ 地下1階
TEL:03(5467)3992
九州じゃんがら住所:東京都渋谷区神宮前1-13-21
TEL:03(3404)5405
フェラン・アドリアさん
スペイン「エル・ブジ」オーナーシェフ。(詳細は5/2公開予定の記事にてご紹介します。)写真/elBullifoundation © F.Guillamet
東京を初めて訪れたとき「京料理 壬生(みぶ)」に伺い、物事を詩的にとらえる、日本ならではの考え方に感銘を受けました。一度「エル・ブジ」でコラボレーションをした際、お茶をいれる道具から水まで全部を持ってこられました。日本料理の情緒を表現するには、それだけのものが必要なのですね。
皿の上のおいしさだけでなく、情緒をも表現する──。壬生は、私の「“美食の体験”とはどういうものなのか」という考えを根本から変えてくれました。エル・ブジの魂ともいえる概念を学んだ場所です。
京料理 壬生住所:東京都中央区銀座3-2-13 江戸常ビル2階
TEL:03(3567)0098
(次回に続く。
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